複雑・ファジー小説

Re: 光の堕天使 ( No.40 )
日時: 2011/09/23 18:59
名前: 水月 (ID: SuDcL78Z)
参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel3/index.cgi?mode=view&no=22124

「ただ・・・その『呪文』を使うことは・・・大きなリスク(危険)を背負うことになるんです・・・。」
「大きな・・・リスク・・・。」
「大きなリスクは二つあります。一つは、聖なる力を封印する前に負の感情が爆発してしまえば、力が放出され…重傷を負うことになります。そして二つ目は…もし、力を封印できたとしても力を封印させられる人が呪文に耐えられなければ……『死ぬ』ことになります。」
「!!!」
ハープは愕然とした。
もし、力を封印できたとしても、耐えられなければ死ぬ・・・。
その言葉が深く突き刺さる。
まだ愕然としているハープを見て、ソーヌはこう言った。
「・・・あなたは、そのことを知ったうえで、自分の子供の力を封印することができる覚悟がありますか・・・?」
ハープは考えた。そして思った。自分が自らやらなければ意味がない、と。
深く目を閉じる。そして開く。まるで意を決したかのように。
そしてソーヌに告げた。
「私は、その覚悟があります!必ずやり遂げて見せます!」
ソーヌは「・・・そうですか。」と言っただけで、何も言わなかった。
黄色い木の実を握り締め、立ち上がり、院長室へと向かった。
今のハープの姿は、迷いがすでに無くなっているかのように勇ましかった。
———上空で、漆黒の翼を羽ばたかせる、一人の悪魔がいた。
肩まである金色の髪に、赤色の瞳を持つその悪魔はにやりと笑い、心中でつぶやいた。
(聖なる力か・・・。もし、あたしがその力を持っていたらいろいろといたずらしちゃおうかな?これは、ダーク様に報告しなきゃ♪)
悪魔は闇の魔法を使い、そしてその魔法に吸い込まれるように消えて行った。天使界に悪魔の羽を残して・・・。————