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複雑・ファジー小説
- Re: 光の堕天使 ( No.44 )
- 日時: 2011/07/29 19:29
- 名前: 水月 (ID: SuDcL78Z)
- 参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel3/index.cgi?mode=view&no=22124
「・・・失礼します。」
院長室のドアを開ける。院長室には、院長とポポ、そして今入ってきたハープの三人がいた。
室内に、緊迫の空気が張り詰める。
ハープは息を吸い、吐いて気持ちを落ち着かせる。落ち着かせなければ、叫びたい衝動に駆られるからである。
ハープは、院長に歩み寄る。院長が座っている椅子のところで歩みを止めた。
「・・・どうぞ、お座りください。」
席を進める院長の言葉に甘え、ハープは椅子に座る。
緊迫の空気に包まれる中、院長が口を開いた。
「・・・信じられない事実を知り、衝撃を受けたと思います。
ですが、時間を戻すことはできません。あなたはこれから・・・。」
「分かっています。」
「え・・・。」
「たとえ、あの子が聖なる力を持つ堕天使だとしても、私はあの子と共に生きていきます。それに・・・。」
と言いかけ、ハープはふと影を落とす。そして口を開く。
「聖なる力は、抑えることができます。・・・この木の実で。」
と言い、握っている右手を見せる。その手の中には、鮮やかに輝く黄色の木の実があった。
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