複雑・ファジー小説

Re: 光の堕天使 質問、ゲスト募集中!! ( No.441 )
日時: 2012/03/11 21:37
名前: 水月 ◆p0imGsDc06 (ID: SuDcL78Z)


リアが気絶し、残ったのはホルンだけとなった。
ホルンは杖を固く握りしめ、ダークを睨む。

ダークはそんな彼女を、嘲笑うかのように言った。

「もう諦めたらどうだ? 貴様の実力では、我には勝てぬ。」

「言ったでしょ。やってみなくちゃ分からないって。」

「それを貫き通すのか?」

「えぇ。」

ホルンはそう言うと、床を思い切り蹴って、ダークに突っ込んでいく。
だが、ダークは高速で詠唱をし、

「我の恐ろしさ、思い知るがいい!! ——!!」

と、謎の呪文を叫んだ。
すると、床にたくさんの透明な手が現れ、ホルンを掴む。

「!! 何これ!?」

ホルンはその手を振りほどこうとするが、力が緩むことは無かった。
ダークはそれを見ると、彼女の後ろに黒い球を出現させて、

「やれ。」

と、ホルンを掴んでいる手に指示を出した。
指示を聞いたその手は、彼女を黒い球に向かって投げつける。

ホルンは受け身も取れないまま、その中に入っていった。
すると、黒い球の内壁にある『眼』が開かれる。

その『眼』は、ホルンを凝視すると、赤い電流を放った。
それはホルンに直撃し、彼女の体に纏わりつく。

「!? ……体が……動かない……!?」

ホルンが動けなくなったのを確認した『眼』は、彼女に催眠術をかけた。

「……うっ……なんか……眠く……。」

催眠術を受けたホルンは、黒い球の中で眠りに落ちた。
それを見たダークは笑みを浮かべ、呟く。

「これで全ては整った。さぁ、ルエ。我の元へ来るがいい。
貴様の仲間達が待っているぞ。……ククククク……あっはははははは!!」

ダークの高笑いは、部屋中に響いた。

—まるで、空から落ちてくる雷のように。—


第三章「偽りの姿」fin