複雑・ファジー小説

Re: 光の堕天使 次章予告更新!!! ( No.454 )
日時: 2012/03/14 17:09
名前: 水月 ◆p0imGsDc06 (ID: SuDcL78Z)

——第四章「一人じゃない」——

場所は変わって、天使界の病室。
空は灰色の雲に覆われ、雷が轟く、そんな朝。

ルエは起き上がり、窓の外を見る。
すると、外が光に染められたと思ったら、空から雷が落ちてきた。

ドンッ!!

「うわっ!! ……ビックリした……。」

(何か、嫌な予感がする……。)

心中で呟き、ふと棚を見る。
そこには、一冊の本があった。

「……なんだ、これ……。」

そう言って、パラパラとページをめくる。
すると、

「!!」

ルエの目は、一枚のページで止まった。
そして、そこに書かれた文章を、震える声で読む。

「『ある一人の堕天使がいた。
その堕天使は、降り立った村の人達に歓迎された。

だが、その翌日、村は炎に包まれた。

村人達は堕天使を『不吉の象徴』と呼び、追い出した。』」

ルエは本を閉じ、呟く。

「……嘘……だろ?」

全身が震え、声が出なくなる。
すると、ルエの頭から声が聞こえた。

『出ていけ!! お前がここにいる資格はない!!』

『もう二度と来るな!!』

『この悪魔!!』

『出ていけ!!』

様々な怒号が、ルエの頭に響く。
ルエは耳を塞ぎ、怯える。

しかし、ルエの目の前にアリー達が現れ、一斉に言った。

「出ていけ!!」——と。

すると、その声を聞いたルエは、『発狂』した。

「ぁ……あ……。……うあああああああああああ!!」

ルエは叫びながら、響いてくる怒号を振り払おうとするが、止む事は無かった。
怒号はさらに増し、ルエの心を蝕んでいく。

「……やめ……ろ……。やめろ……!!」

ついにルエはたまらなくなり、病室から逃げ出そうとする。
だが、

「っ!!」

突然の激痛に、動けなくなった。
それでもルエは必死に歩き、病室のドアを開けると、片足を引きずりながら逃げていった。