複雑・ファジー小説
- Re: 光の堕天使 次章予告更新!!! ( No.460 )
- 日時: 2012/03/20 17:10
- 名前: 水月 ◆p0imGsDc06 (ID: SuDcL78Z)
その頃、ライはルエの様子を見に行こうとした。
すると、
「———!!」
誰かの叫び声が聞こえた。
「!? なんだ今のは……。」
何かを感じたライは、ルエがいる病室へ走っていった。
————————————————————————————————
ライが辿り着いた先にいたのは、ソーヌに腕を掴まれたルエだった。
「落ち着いてください!! 怪我が悪化します!!」
「そんな事はどうでもいい! とにかく放せ!!」
(これは……たぶんルエさんが、どこかへ逃げようとしている……。)
そう感じ取ったライは、ルエの腕を掴んでいるソーヌの手を、優しく放すと言った。
「ソーヌ、ここは私に任せてください。」
「でも……。」
「大丈夫です。ルエさんはきっと、落ち着いてくれますよ。」
「……。」
ライはルエに近づき、諭すように言った。
「ルエさん……。あなたは知ってしまったんですね。
堕天使族の真実を……。」
「!? ライ……さん……?
という事は、あなたはこうなる事を最初から分かって……。」
すると、ライは俯き、悲しそうな声で言った。
「……はい。結局、これしか方法はなかったんです。
堕天使として生まれ、自分の一族の事を何も知らないあなたにとっては、これが最善の方法だったんです。」
「……騙してたんですか……私を……?」
ルエがそう問うと、ライは俯いたまま言った。
「……はい。」
その瞬間、ルエは突然泣き出した。
「……あ……ぁ……。……うわあああああああああああああ!!」
ライの腕を掴みながら、ルエは大声で泣いた。
(落ち着かせるどころか、逆効果だった……。)
ライは心中で呟くと、慰めようと手を伸ばす。
ところが、
バシッ!!
「触るな!!」
ルエは彼の手を乱暴に振り払い、睨みつけて言った。
すると、ライは顔をあげ、優しく微笑みながら言う。
「ルエさん……憎みたかったら、憎んでもいいですよ?
私はあなたを騙した。憎まれて、当然です。」
その声はどこか寂しそうで、震えていた。
「……。」
ルエは黙ったまま、ライを見つめていた。