複雑・ファジー小説
- Re: 光の堕天使 次章予告更新!!! ( No.464 )
- 日時: 2012/03/20 21:08
- 名前: 水月 ◆p0imGsDc06 (ID: SuDcL78Z)
すると、ライは光を集めて小刀を作ると、口を開いた。
「もし、あなたが私に『命を絶て』と望むのなら……
望み通り、この命を絶ちます。」
「「!!」」
ライの言葉に驚いたルエは、慌てて言った。
「ち、ちょっと待ってください。
いくらなんでも、それは……。」
「私が憎いのでしょう? だったら……。」
「! 私は……。」
と言いかけ、ルエは口ごもった。
(確かに……騙したからそりゃ憎い。でも……。)
—どうすればいい?—
その問いが、ルエの頭の中で駆け巡った。
「……あなたがやらないのなら……。」
ライはそう言うと、小刀を自分の首に当てる。
すると、
「やめてください!!」
そう叫んだソーヌがとっさに動き出し、光の魔法で、ライが持っているそれを弾く。
キンッ!
「っ!!」
ライはその痛みに、少し顔を歪める。
宙を舞った小刀は、やがて地面に落ちた。
「何をしたんですか……?」
「院長を死なせたくはありません。
だから……助けたんですよ。」
「……。」
ソーヌは落ちた小刀を拾い、それを消すとこう言った。
「院長……。簡単に、『死ぬ』なんておっしゃらないでくださいね?」
その瞳には、涙が浮かんでいた。
「……分かりましたよ、ソーヌ。
もう二度と、このような真似はしません。」
ライは立ち上がりながら言うと、ハンカチを取り出し、ソーヌに渡す。
そして、ルエの方を振り返り、申し訳なさそうに言った。
「迷惑をかけて……申し訳ありません。
ルエさん、あなたを巻き込んでしまって。」
「いえいえ、私は気にしてないですよ。
それに……たとえ憎んでても、殺す事なんてできませんから。」
ルエは顔をあげ、ライにこう問うた。
「ライさん……。もっと、堕天使族の事について、詳しく教えて頂けますか?」
ライはその問いに、真面目な顔をして言った。
「もちろんかまいません。
ただし、あなたはこれから恐るべき真実を知ることになります。
その事は……『絶対他人に話さないで』ください。いいですね?」
ルエは固く誓うかのように、力強く頷いた。
それを見たライは、ルエとソーヌを、病室に案内した。