複雑・ファジー小説

Re: 光の堕天使 次章予告更新!!! ( No.487 )
日時: 2012/03/26 21:57
名前: 水月 ◆p0imGsDc06 (ID: SuDcL78Z)

—病室—

ライとソーヌの二人は、怪我を負っているルエを支えながら、なんとか病室に入る。
そして、ルエをベッドに下ろすと、ライがこう問うた。

「怪我、大丈夫ですか?」

「なんとか…。」

ルエはそう言い、苦笑する。
痛みを我慢しているのか、どこか強がっていた。

ライは椅子に座り、こう言った。

「さて、ルエさん。
堕天使族の本当の真実、お話ししましょう。」

「本当の真実って、この本に書いてあった物だけじゃないんですか!?」

ルエは、机にある本を持ちながら問う。

「はい、まだまだありますよ。」

「へぇ…。」

ルエは納得し、本を手元に置いた。
その様子を見計らい、ライは声を潜め、ルエとソーヌに告げた。

「もう一度言いますが、この事は絶対に、『誰にも話さないで』下さい。」

二人は固く誓うかのように、力強く頷く。
ライは真剣な表情をすると、話を語りだした。

「まず堕天使族は、神に反逆した天使と言われています。
ですが、その殆どが、私達天使族と同じような考えを持っているんです。」

「天使族と同じような考えを持っている!?」

「はい。しかし彼らは中立の立場にいて、時には悪魔族の味方をする事もある。」

話を聞きながら、ルエはふと思う。

(天使族と同じような考えを持っているのなら、何故神に反逆したのだろう…。いったい何が目的で……。)

—中立の立場にいるのなら、何か理由があるはず…—

そう考えていると、

「ルエさん、堕天使族はどちらの立場でもないから、自分達の意見を主張できたりするんですよ。」

ソーヌがそっと囁いた。

「へぇ…。」

ルエはそれに納得すると、ライに向き直った。