複雑・ファジー小説

Re: 光の堕天使 ( No.520 )
日時: 2012/04/19 23:16
名前: 水月 (ID: /08hIsKD)


ライはルエの目を見つめ、こんな事を言った。

「実は、堕天使族の真実は…あなたの瞳にある、悪魔の羽の模様にも関係があるんです。」

「えっ…。」

ルエは訳が分からず、困惑する。
その様子を見て、ライは説明した。

「さっき、堕天使族は神に反逆したと言いましたよね?
あなたの瞳にある悪魔の羽は、その反逆者の印なんですよ。」

「…。」

ルエは真実を受け止めきれず、絶句する。
ギュッと手を握り締め、口を一文字に結んだ。

そして、ライにこう問うた。

「…やっぱり、堕天使族は皆、嫌われ者の存在なんですか…?」

ライはしばらく考え、答えを出した。

「あなたはそう考えているようですが、堕天使族の中には、神を信仰してもらうためには敵が必要になるから、あえて嫌われ者になる者もいますよ。
その人は今も神に仕えているので、皆そうだとは限りませんよ。」

「!」

それを聞いたルエの瞳に、光が宿った。
そして、不意に呟いた。

「良かった…。」

その声は、安心を表していた。
すると、

「!? うぐっ!!」

突然、ライが呻き声をあげ、頭を押さえる。

「どうしたんですか!?」

その様子に驚いたソーヌが、慌てて駆け寄る。
ライは頭を押さえながら、ルエに言った。

「ルエさん…。
仲間達のところへ、行って下さい…。」

「どういう事ですか!?」

「あなたの仲間のうちの二人が、危険な目にあっています…。
早く、助けに行ってやって下さい…。
そうしないと、彼らが…。」

ルエは頷き、翼を広げると、凄まじい速さで飛んで行った。