複雑・ファジー小説

Re: 光の堕天使 ( No.521 )
日時: 2012/06/02 22:07
名前: 水月 ◆p0imGsDc06 (ID: U2d6Cmja)

ルエが去った後、ソーヌはライに問うた。

「いいんですか? 彼女を行かせても。」

「えぇ。きっと…あの子は止めても、聞かないでしょうから…。」

「……。」

「ソーヌ、ルエさんは自分を犠牲にしてでも、守りたいんですよ。
『仲間』を。」

ライはそう言って、遠くを見つめる。

「信じましょう。彼女が、あの二人を救ってくれる事を。」

「そう…ですね。」

ソーヌもまた、ライと同じように、遠くを見つめながら言った。

—ルエが無事でいる事を信じて。—

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「…っ、くそ! あいつら、どこにいるんだ!?」

ルエは飛びながら、キルとホルンを探していた。

二人を救いたい。そんな思いが強いのだろうか、木の枝が当たっても、全く気にする様子も無かった。
すると、

「! 誰だ!?」

人の気配を感じ、剣を構える。
そして、草むらを睨み付けた。

しばらくすると、そこから人が出てきた。

薄茶がかった銀髪に、右が銀翡翠、左が青銀の瞳をしているその人は、外見に似合わない大剣を構えながら言った。

「僕はファレンです。
あなたは…堕天使ですね。」

「…まぁ、今はこの姿だから、当然誰でも分かるが…。
何の用だ? 私は急いでるんだ。」

「なら、あなたがここにいる資格はありません。
殺しは嫌ですが、今すぐ消えてください。」

(ちっ! こんな時に……!! …しょうがない。)

心中で呟くと、ルエは剣を握りしめながら、ファレンに言った。

「私も争うのは嫌だが、さっきも言ったとおり、急いでるのでな。
手短に行かせてもらう!!」

そして、ルエとファレンの対決が、幕を開けた。