複雑・ファジー小説

Re: 光の堕天使 〜聖なる力を持ちし者〜 ( No.541 )
日時: 2012/07/13 20:56
名前: 水月 ◆p0imGsDc06 (ID: SuDcL78Z)

キルが話の続きを言おうとした。
その時、

「大天使様、アリーさん…。」

森の方から、ボロボロになったココアが出てきた。

「ココア!?」

「どうしたの、その体…。とりあえず、しばらく休んでで。」

アリーがそう促すと、ココアはゆっくりと頷き、キルの隣に座った。
すると、

「……ぁ…。」

闇から解放されたホルンが、目を覚ました。

「! ホルン!!」

ルエは真っ先にホルンに駆け寄って、抱きつく。

「!? 姉さん、どうしたの?」

「実はね…。」

ルエがホルンに詳細を話すと、彼女は驚いてこう言った。

「嘘!? 私がそんな事をしたの!?」

「もしかして、何も覚えてないの?」

アリーが問うと、ホルンは頷き、こんな事を言った。

「確か、ダークと戦って…何かに眠らされたところまでは覚えてるんだけど……。そこからは、何も…。」

「そっか…。でも、元に戻ってよかった!」

そう言ってルエが笑うと、アリー達もつられて笑った。

(こんな平和な日々が、ずっと続くといいなぁ…。)

ルエは心中で呟くと、少し寂しそうな顔をした。
すると、

ウォン

瞬間移動したような音がして、一人の悪魔が現れた。
それを見たルエ達は、全員戦闘態勢に入る。

全身を黒に染め、黄緑の瞳をしたその悪魔は、余裕の表情を浮かべて言った。

「待てよ。今日は戦いに来たんじゃないんだ。」

「どういう事?」

アリーが訝しげに問うと、悪魔はこう言い放った。

「お前らに教えてやるよ。実はな……ルエは『堕天使』なんだよ。」

「!!」

「えっ…!?」

「っ!!」

「嘘!?」

「……。」

アリー達が驚く中、ルエだけは俯き、黙り込んでいた。