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複雑・ファジー小説
- Re: 光の堕天使 ルエの真の正体は… ( No.543 )
- 日時: 2012/08/12 16:04
- 名前: 水月 ◆p0imGsDc06 (ID: SuDcL78Z)
テルテル坊主のような姿に、頭にある、天使の光輪と悪魔の角。
傷跡と、悪魔の羽の模様がある赤い瞳と、何もない黒の瞳。
堕天使へと姿を変えたルエに、全員は絶句していた。
それを見たルエは俯いて、また呟くように言った。
「……騙してて、ごめん。」
きっと、今まで天使の姿でアリー達を接してきた事に、彼女は罪悪感を感じているのだろう。
少しだけ、声が震えていた。
すると、アリーはそんなルエを見ると、諭す形で言った。
「…確かに、そりゃ驚いたよ。
でも…それでも……私はあなたを裏切ったりなんかしないよ、ルエ。」
「! アリー、お前…。」
彼女が言った言葉に、ルエは驚いた。
その後、ふっと笑みを浮かべ、アリーに言う。
「お前は……私がこんな姿であっても、普通に接してくれるんだな。」
「アリーだけじゃないぞ。俺やホルン達もだ。」
「みんな…。」
(この人達なら、信頼してもいいかもしれない…。)
ルエは心中で、そう思い始めていた。
その時、
「っ…。」
突然、ルエの体がグラリと傾いた。
それを見たアリー達が、すぐに彼女を支える。
「大丈夫?」
「あぁ、なんとか…。」
アリーに問われ、ルエは苦笑を浮かべながら返す。
すると、アリーは彼女の体を見て、ルエに聞いた。
「ルエ、左腕と右足、どうしたの?」
「っ…。そ、それは…。」
怪我の事を言われ、ルエは目を逸らす。
(天使族にやられたなんて、言えない…。)
心中でそう呟き、そのまま黙り込んでいた。
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