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目を逸らしたまま、黙ってしまったルエを見て、キルが問う。

「もしかして、言いたくないんじゃないのか?」

すると、ルエは驚いたような、困ったような顔で、彼を見た。
そして、首を激しく横に振って、こう言った。

「違う!　そうじゃなくて、言えないんだ…。」

「言えない?」

アリーが怪訝の表情をして、ルエに尋ねる。
彼女はしばらく考えた後、小さな声で言った。

「だって言ったら…また、戸惑うと思うし…。」

「……。」

その言葉に苛立ったアリーは、彼女の肩を掴んで大声で怒鳴った。

「戸惑う?　私達が?　だから言えないの?　それって逃げてるだけじゃない!!
私はあなたの怪我自体を聞いてるんじゃない、その怪我を誰にやられたのか聞いてるの!!
確かに抵抗があるのは分かるけど、でもずっと隠してるままだなんて、私は納得できない!!」

「ア、アリー…?」

突然の出来事に、ルエは驚いて、目をぱちくりさせている。
だが、アリーは無視して怒鳴り続けた。

「それに、皆もルエに何があったのか、絶対に聞きたいと思う!!
理解したいと思ってるの!　だから…。」

そう言いかけた時、彼女の瞳に一筋の涙が光ったのを、ルエは見た。

「お願いだから…ちゃんと話して…。」

「……。」

アリーの言葉を聞いた後、ルエはまた黙り込んでしまった。
すると、

「それについては、あたしが教えるわ。」

怪しげな女性の声が、森の方から聞こえた。