複雑・ファジー小説

Re: 光の堕天使 名前改名! ( No.572 )
日時: 2012/08/28 18:36
名前: エストレア ◆p0imGsDc06 (ID: SuDcL78Z)

一方その頃、アリーはなんとかして、ルエに会える方法を探していた。
すると、

『アリー、聞こえますか?』

どこからか、声が聞こえた。

「!? 誰!?」

「どうしたんだ?」

謎の声に問うた彼女に、キルが声をかける。
彼に気づいたアリーは、真面目な顔をして言った。

「ねぇ、キル。何か声が聞こえるの。」

「声? 俺は何も聞こえないぞ。」

キルの言葉に、アリーは考え込む。

(なら、聞こえているのはあたしだけ…?)

すると、

『アリー、聞こえるのなら、返事をしてください。』

さっきの謎の声が聞こえた。

「あの、あなたはいったい…。」

アリーがそう問うと、その声は、彼女の頭の中からこう言った。

『私はハープです。あなたに言いたい事があります。』

「言いたい事、ですか?」

『はい。実はルエが、あなた達に裏切られたと勘違いして、何処かに行ってしまったんです。』

その事に彼女は驚いて、ハープに問うた。

「!? つまり…ルエはもう、天使界にはいないという事ですか?」

『そうなります。』

彼女が話し終えた後、アリーはしばらく考え込む。

(ここにいないのなら…悪魔界か堕天使界、人間界くらいしかない…。でも悪魔界には、あの子が自ら行くわけがないし…。)

すると、彼女の中で何かが働いた。

(! 嫌な予感がする…。早く行かないと、大変な事になる…。)

アリーは立ち上がり、頭の中で、ハープに言った。

「ハープさん、ルエを探しに行ってきます。
あの子を一人にさせるわけには、行かないので。」

『お願いします。』

そして、ディムの家の扉を開けると、キル達に、

「ルエを探しに行ってくる!!」

振り向かずにそう言うと、彼らの叫びを無視して、翼を広げて飛んで行った。

(絶対に……させやしない…!!)

アリーは心中で、そう強く思った。