複雑・ファジー小説

Re: 光の堕天使 ( No.63 )
日時: 2011/08/01 22:23
名前: 水月 (ID: SuDcL78Z)

「・・・これでよし!」
「ありがとう、お母さん。」
「どういたしまして。」
二人はハープの部屋にいた。そして今、ルエの治療を終えたあとの会話をしていた。
ルエの右目の血は治まってはいるが、刀の傷跡ができたのに、変わりはない。
「ルエ・・・。」
ハープはルエを見つめ、こう言った。
「何?」
と、ルエは返す。
「これを・・・。」
と言い、ハープが渡したものは、白い天使の羽のペンダント。
使い方を知らないルエは、それをまじまじと見ていた。ハープは、もう一つのペンダントを取り出し、使い方を説明した。
「これを使えば、様々な族性になれることができるわ。例えば、私が天使の状態で使えば、堕天使や悪魔になれる、といったものよ。」
ハープはルエの首元に、そのペンダントをつける。
「これを使って何をすればいいの?」
そうルエが問うと、ハープはこう言った。
「それを使って、天使になって、森を抜けて左側にある建物に行きなさい。そしてそこに入りなさい。」
そう言うと、ハープは、ふぅ、とため息をつく。そしてルエにこう言った。
「今夜はもう遅いから寝なさい。また明日、話をしましょう。」
「うん!分かった!」
ルエは、笑顔で言うと自分の部屋へ駆けて行った。
ハープは、ルエが行った後、心中で呟いた。
(今日、実行するのね・・・。ルエには悪いけど・・・聖なる力は『封印』させてもらうわ。)
と。