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複雑・ファジー小説
- Re: 光の堕天使 ( No.68 )
- 日時: 2011/08/02 13:11
- 名前: 水月 (ID: SuDcL78Z)
- 参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel3/index.cgi?mode=view&no=22124
—深夜—
ハープは、ルエが寝たのを見計らい、光造魔法を使い結界を描く。
さらに、結界を使って黄色の木の実とロンを作り出した。
「あなた、これを。」
と言うと、黄色の木の実を差し出す。
ロンはそれを受け取り、食べる。ハープも口にする。
これで『呪文』が使えるようになった。つまり、準備が整ったのだ。
ハープは二階に行く。すやすやと眠っているルエを背負い、下に降りる。そして、結界の上にそっと下ろした。
「始めましょうか。」
「あぁ。」
二人は頷きあい、結界の上で横になっているルエを宙に浮かせる。
そして、『呪文』を唱えた。
「「力時制!!」」
二人が唱えた呪文は、ルエを包み込む。
目を閉じ、念じる。ルエを包み込んだ呪文は、体内に入り、聖なる力を封印しようとする。が、
「・・・う・・・。」
ルエが呻き始める。力を封印される彼女にとって、そうとうこたえる物だろう。
(頑張って・・・!ルエ・・・!)
ハープは、ルエに心中で呼びかけながら念じ続ける。
(頑張れ・・・!ルエ・・・!)
ロンも、ルエに心中で呼びかけながら念じ続ける。
そして、呪文は佳境に入る。
「う・・・ぐ・・・。」
呪文の影響で、苦しみ始めるルエ。
呪文の力が強くなってきている証拠なのだ。
二人は、ルエを助けたい一心で、必死に念じ続けた。そして・・・!
パァァァァァン!
という音がした。聖なる力を封印できたのである。
「やった・・・。聖なる力を・・・封印できた・・・。」
「やったな・・・。」
二人はそう言い、微笑みあうが、かなりの疲労が来たのか、その場に倒れこんだ。ルエは、呪文からの苦しみから解き放たれたのか、すやすやと、幸せそうに眠っていた。
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