PR
複雑・ファジー小説
- Re: 血染めの彼岸花【月夜に降り立つ処刑人】 ( No.26 )
- 日時: 2011/07/15 12:25
- 名前: 王翔 (ID: hDFQBaU/)
第十七話
沙零は、神谷神社の前に来ていた。
空は晴天で太陽の光がギラギラと降り注いでいた。
「いるかな……」
沙零は門をくぐり、本殿のドアをノックした。
コンコン
返事はない。
「いないのかな?」
ドンドンドン
ガラッ
「誰?」
ドアが開き、さざめが出て来た。
さざめは、無表情で首を傾げる。
「……何?」
「ちょっと、用があって」
「……」
さざめはしばらく沈黙し、
「じゃあ、上がって」
「え?いいんですか?」
「うん」
沙零は、とある一室に通された。
低い机と座布団があり、机に置かれた花瓶には花がいけてある。
「……」
「それで、用件はなに?」
「うん、えーと……日曜日に川に遊びに行くんですけど、さざめさんも一緒にどうですか?」
「……」
「……」
「私は、行けない」
さざめは、呟いた。
「何で……」
「行けない……」
「さざめさん……」
沈黙した。
ダメ、なのかな……
PR