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複雑・ファジー小説
- Re: 血染めの彼岸花【月夜に降り立つ処刑人】 ( No.27 )
- 日時: 2011/07/15 14:37
- 名前: 王翔 (ID: NINBOsI.)
第十八話
「あー……やっぱりダメか……」
沙零は、さざめが来れないと言うことを報告しに病院に来ていた。
雷手は、やれやれといった様子だった。
「やっぱり、ダメなんでしょうか……」
沙零は、しょんぼりと俯いた。
「まあ、大丈夫だって」
雷手は笑顔で沙零の頭を撫でた。
「きっと、いつかは届くよ。そうじゃなくても、さざめだって、今はもう普通に話してくれるんだから大きな進歩じゃないか」
「そうですね…」
「だから、もっと前向きに考えろって」
「そうですよね……そうですよね!」
「いや、そんなに連呼しなくても」
沙零はにこっと笑って言う。
「いつかは、届きますよね。はい、私……それまで頑張りますよ!」
「ああ、頑張れ。でも、無理はするなよ」
「へ?」
沙零は、首を傾げた。
「お前が無理すると、悲しむ奴がいるんだからさ」
「そうですか。はい、気をつけます」
みんなに心配はかけないようにしないと。
「じゃ、とりあえず明日の準備をしておくか」
「何持って行くんですか?」
「まあ、弁当と飲み物と釣竿ぐらいかな。あ、あと沙零ちゃん、川で泳ぐか?何なら、俺が露出度高いの買ってあげてもいいけど?」
「いえ、遠慮します」
「そっか。残念だな」
雷手は苦笑した。
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