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複雑・ファジー小説
- Re: 血染めの彼岸花【月夜に降り立つ処刑人】 ( No.6 )
- 日時: 2011/07/11 17:34
- 名前: 王翔 (ID: 6QQsLeeZ)
第五話
満月の夜。
彼岸花が大量に咲き誇る花畑……
ガッ
一人の男性が倒れた女性に喰らいついた。
ブチブチ……
嫌な、音がする。
女性は、もう姿形が分からないほど、身体がバラバラになっていた。
ザッ
「!!」
男性の前には、刀を持った一人の少女が立っていた。
「う……うあああああああああ!!!」
男性は、狂ったように叫び、走り出した。
少女は男性を追う。
そして………
ザンっ
血が飛び散った。
男性は、糸が切れた人形のようにその場に倒れ、動かなくなった。
彼岸花が、血で染まっていた。
「はいはーい、沙零ちゃん。お久しぶり〜」
「あ、えーと……雷手さん?」
「うんうん、覚えててくれたんだね。お兄ちゃん嬉しいよ」
雷手は、にこにこと笑う。
「何か用ですか?」
「まあね。まだ、案内してない所があったんだ。神社の廃墟
なんだけど」
「そうなんですか」
「さ、行こう」
雷手は、沙零の手を引く。
「わわ……」
しばらく森の中を歩くと、古びた神社が姿を現した。
「あれは……」
「加世田神社だよ。今はもう、廃墟だけど」
加世田神社の門をくぐり、古びた今にも崩れそうな本殿まで
行き、雷手が呼びかける。
「おーい、壇来!」
「うおっ……誰かいるんすか?」
「うん、まあね」
「何の用だ?」
一人の青年が中から出て来た。
青年は、沙零を見ると、
「千沙、か……?」
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