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複雑・ファジー小説
- Re: 血染めの彼岸花【月夜に降り立つ処刑人】 ( No.7 )
- 日時: 2011/07/11 18:52
- 名前: 王翔 (ID: BvmlmLmy)
第六話
「千沙、か……?」
「え……」
加世田神社の本殿にいた少年は、驚いたような表情をしていた。
「千沙じゃないか。ここで、会えるとは……元気、だったか?」
「壇来」
「俺は、お前のことを尊敬していて……」
「壇来、落ち着け。ちょっと、こっち来い」
雷手が、慌てて壇来の腕を引き、神社の裏に回った。
「だから、沙零ちゃんに前世の記憶はねーから。みんなが
覚えてるわけじゃないんだ」
「むぅ……そうなのか。悪い……自重する」
壇来は、残念そうに呟いた。
「ああ、気をつけろよ」
「うむ」
「おーい、沙零ちゃーん」
雷手が、壇来を連れて戻って来た。
「何の話してたんですか?」
沙零は、首を傾げて問いただした。
「いやあ、ちょっと女の子との接し方について教えてあげて
たんだよー」
にこにこと笑顔を浮かべる雷手。
「先程は、すまなかった。その……人違いをしてしまって」
そう言って、壇来が頭を下げる。
「え?い、いや謝らなくてもいいですよ」
「そうか……上がって行くといい」
「じゃ、お言葉に甘えて。ほら、沙零ちゃんも」
それにしても、中にいる時に崩れたりしないかな……
中は、以外と綺麗だった。
沙零達は、とある一室に通された。
小さなちゃぶ台と座布団があるシンプルな部屋だ。
沙零は、正座した。
しばらくたつと、壇来がお茶と菓子をお盆に乗せて持ってきた。
「もう少しで、祭りか……今年も、吸血鬼が……」
「壇来、自重しろ」
雷手が壇来を制した。
「すまない……」
「祭り?」
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