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複雑・ファジー小説
- Re: 将軍様直属★半天半魔殿【なぜか宇宙人出るよ!】 ( No.14 )
- 日時: 2011/07/18 15:37
- 名前: 王翔 (ID: a4ZzbouY)
三幕 第三話
結局、三人は城に帰れないこととなって宿をとることになった。
きれいに整理されている宿の部屋は、思ったより居心地が良かった。
菊一は、昼間に買っておいた和菓子を口に運びながら、布団に入っていた。
「なかなか、宿もたまにはええなあ」
ウトウトしながら呟いた時、里同に思い切り腹を踏まれた。
「うごっ!何すんねん、里同!!」
流石の菊一もこれには驚き、飛び起きた。
「布団に入って菓子を食べるなど、行儀が悪いにも程がある。食べるなら、座れ。寝るなら菓子を片付けろカス」
「何やねん、しゃあないなぁ」
菊一は、ため息をついた。
渋々座布団の上に座り、和菓子をほうばる。
佐々影に話しかけようと思ったが、佐々影は既に眠っていた。
仕方なく、黙って食べる。
そんな時、里同が声をかけてきた。
「菊一」
「何やねん」
「お前……好きな相手はいるのか?」
「べつに、おらんけど、どしたん?」
「いや……私達ぐらいの歳になると、恋愛をするのが普通だと聞いたので……何か、安心した」
里同は少し、赤くなって言う。
「何で?」
「私だけ、恋愛してないわけじゃなかったからな」
「あー…なるほどなぁ」
どうせ、そんなことやろうと思ったわ。
菊一は立ち上がって、窓から外を見た。
綺麗な月と多くの星が見えた。
「いつもと変わらん、夜なのになあ」
そう言って、苦笑。
「ああ…」
その時だった。
はるか遠くから、悲鳴のようなものが聞こえた。
「出たかいな」
「みたいだな」
「じゃ、佐々影を叩き起こして行きますかいな」
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