PR
複雑・ファジー小説
- Re: 将軍様直属★半天半魔殿【東星桜は一旦ロック中です】 ( No.5 )
- 日時: 2011/07/14 19:08
- 名前: 王翔 (ID: sqDlb19C)
第四話
「いやあ、本当によくやってくれた!」
将軍は、上機嫌に笑った。
菊一はさして興味もなさそうに、眠い目をこすりながら言った。
「将軍……ワシ、もう眠いんやけど」
「分かった分かった。部屋に帰っていいぞ」
「礼を言うで〜」
くるりと将軍に背を向けると、菊一は部屋を出て自分の部屋に向かった。
廊下を歩きながら、外を見た。
太陽の光がギラギラと照りつけていて、城下町が見渡せた。
城下町は、いつもと変わらぬ賑わいを見せていた。
子供達は町を走り回り、大人は働く……いつもの光景だった。
「平和やな」
菊一は、軽く笑うと歩を進めた。
自室で、いつものように座布団を枕にして寝ていた。
「菊一様!」
襖が開き、小さな箱を持った秋鈴がにこにこと笑顔を浮かべながら入って来た。
彼女は、ちゃぶ台に箱を置いた。
「お仕事、おつかれさまです!」
「んー……何やねん」
「これ、将軍様がご褒美だってくれましたよ。菊一様が大好きな和菓子ですよ〜」
「おー…気がきくやないか」
菊一は、さっそく起き上がり、箱を開けて中の和菓子を手で掴み、食べた。
「うん、悪うないな」
「菊一はいるか!」
「あ、里同さんじゃないですか」
「……何の用かいな。一緒に風呂なら断るで」
「一応、私は女なのだが……」
「じゃあ、好きな女ができたから、相談かいな」
「私は女で……そ、それより」
「んー?」
里同は、小さな声で、
「昨日のこと、言ってないで?」
「どうしよかいな〜」
「言うな!言えば斬る!!」
里同はプンスカ怒って、刀を抜く。
「こら、すぐ刀や抜くけん、男だと思われるんやで」
「貴様……!」
「り、里同さん!あっちに行きましょう!」
秋鈴が慌てて、里同を連れて部屋を出て行った。
「さーて、菓子でも食べようかいな」
菊一は、上機嫌に和菓子を食べた。
PR