複雑・ファジー小説
- Re: 将軍様直属★半天半魔殿【東星桜は一旦ロック中です】 ( No.7 )
- 日時: 2011/07/15 20:04
- 名前: 王翔 (ID: 3I1qtzhC)
二幕 第一話
「……平和やなー」
菊一は、相変わらず部屋でゴロゴロしながら菓子を食べながら、そう呟いた。
上体を起こし、立ち上がると襖を開けた。
襖を開けると、外が見える。
部屋の中に太陽の光が差し込んだ。
菊一は、眩しくて一旦目を閉じる。
「ふう……ワシに太陽の光はちょっとばかし、辛いわー……」
再び、目を開けた時だった。
「菊一!」
「んー?」
突然、名前を呼ばれた。
菊一は、声が聞こえた方向を確認した。
視線の先に立っていたのは、里同だった。
腕には、包帯が巻かれていてその白い包帯には赤い血が滲んでいた。
「おー、どないした?そないな痛々しい格好やして」
「宇宙人とやらに、やられた」
「ふーん、そうなんや?じゃ、ワシはもう寝るわな」
菊一はにっこり微笑み、里同に背を向けた。
ドゴ
里同の回し蹴りが、菊一の背中に命中した。
菊一は、思わずバランスを崩した。
「何すんねんで!ホンマ、凶暴やな」
「仕事だバカ」
「はー……断るわ。ワシ、眠いねんで?」
やる気のなさそうな表情でそう答えたが、里同は言い放つ。
「将軍の命令だ」
「はー……まったく、しゃあないなぁ」
菊一は、心底不満そうにため息をついた。
この国でもっとも偉いのは、どんなに納得がいかなくてもあの電波将軍に違いはないのだ。
それに、逆らうことなどできない。
逆らえば、反逆罪に問われる。
「ホンマ、嫌やわー」
「文句を言うな」
里同は、菊一を睨み付ける。
ホンマ、大した忠誠心やわ。あんな電波将軍に忠誠を誓うなんて、コイツの頭の中、一回見てみたいわー……
そう思った。本気で。
将軍の部屋に行くと、偉そうに座布団に座っている電波将軍がいた。
「来たか、菊一!」
「はいはい、来ましたでー」
「では、宇宙人退治をしてもらいたい!!」
電波将軍は、真剣な表情で告げる。
「次は、食いしん坊宇宙人だ!人を丸々食べてしまうんだ!このままだと、大きな被害が出るかもしれん!」
「分かったで。倒せばええんやろ?」
「甘く見るなよ!あの里同を負傷させたほどの相手だ!なめてかかると取り返しのつかないことになる」
「ああ、わかっとる」