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第二十五話　ゼル


ネイトゥと勝が抱き合っていると、赤い龍が音を立てて消え去った
ネイトゥが驚きに目を見開く
勝はそちらを睨む
そこには、炎に包まれていたにもかかわらず、どこも焼けていない赤い髪の子がいた


「結構な暑さだったよ」


ニヤリとそいつは笑う


「（勝の能力は『炎』それを消し去るなんて・・・『消滅』の能力の持ち主ですの〜！！？）」


ネイトゥがそいつを見て思う


「お礼をしようと思うんだけど・・・それが目的じゃないから」
「なら何が目的だ」
「さぁ？教えないよー♪」


片目を瞑り、舌を出す
いたずらっ子のようなかわいらしい仕草だった


「おっ」


何かに気づいたように、そいつは目をネイトゥと勝からそむけた
二人も釣られて目を背ける





そこにいたのは・・・・・



「あ、よぅ。迎えかなんかか？紅」
「ああ、そうだよ。ゼル」




男性・・・ゼルはニヤリと笑った