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第十七話　厄介　


「〝キセキのように　生まれてきた私　
　　　キセキのように　生まれてきた貴方〟」


「〝長いときを超えて　青く光る地球
　　　歩いてきた道の途中　たくさんの出会いの中で〟」



凛とした、優しい声で歌っている少女
やわらかいワンピースに身を包んでいる
ゆるく結んでいる髪と、少女の歌声が、暖かさを出している


「さすがは“優しき歌姫・【奇跡】”」


側で腰掛けている漆黒の髪の男


「お世辞はいりません。“漆黒の羽・【絶望】”」


歌うのを止め、【絶望】の方を向く
ハハッ、と【絶望】は軽く笑った


「変わったな【奇跡】」
「そうでしょうか？」
「ますます興味がわいてきた」


ニヤリッと笑う【絶望】
それを見て、【奇跡】はあきれたようにため息をついた


「そんなことを言っているから、【希望】に嫌われるんですよ」
「【希望】のことは、誰よりも大切に思っている」


まじめな顔をして、彼は言った
【奇跡】はまたため息をつき、彼の側に腰を下ろした


「・・・・・私たちが眠っている間に、規律も秩序も乱れましたね」
「そうだな・・・。だが、俺たちが目覚め、修正していくから大丈夫だろ」
「そうですね・・・。でも・・・」






















































「その元凶は、厄介なものですよ・・・きっと」