複雑・ファジー小説
- Re: 姉妹の誓い 〜絆〜 【オリキャラあと一人!!】 ( No.251 )
- 日時: 2011/10/30 19:31
- 名前: 優音 ◆XuYU1tsir. (ID: 4z3SNsbs)
第二十四話 赤子の誕生
「うぅ・・・・・ん!!」
一人の女の苦痛の叫び声が上がる
側で女の手をしっかりと握っているのはその夫
どうやら、新しい命の誕生らしい
「うああ!」
「頑張れ!頑張れ!」
「もう少しですよ!!はぃ、もう少し!」
医師の声にあわせるように、女は力を入れる
夫は女にあわせるように、強く手を握った
と、
女のおなかの圧迫感が消える
医師が優しく何かを受け止める
そして、優しく・・・そして、力強く笑う
「おめでとう御座います!女の子です!!」
「あぁ!!ありがとう御座います!!生まれたよ、僕たちの子だよ!」
「えぇ・・・見えるわ・・・可愛いかわいい・・・私と貴方の赤ちゃんよ」
眼に涙を浮かべる二人
医師は赤子をタオルで包み、ぬるま湯で血を洗い流す
赤子の元気な声が響く
それを聞いて、二人は笑顔を作る
母となった、女を休ませるため、夫と医師は部屋から立ち去った
傍らには、幸せそうに眠る赤子
その様子を微笑んで見守る母
「おめでとう御座います」
窓の方から声がした
そちらを向くと、少年が一人、窓に腰掛けていた
一体何処から入ったのだろうか?
そう思ったが、怪しい感じはしなかった
ただ・・・そぅ・・・優しく、あたりを包み込むような暖かさが少年の周りからは感じ取れた
「ええ・・生まれたわ」
「新しい命の誕生ですね」
微笑む少年を見て、母は顔をほころばせた
「ええ・・・。実は・・・この子の姉か兄を一回亡くしてしまって・・・。無事に生まれてきてくれて本当に良かったわ」
「そうですか・・・きっと僕の姉ですね」
「え?」
「あ、いえ^^なんでもありません」
少年はふわりと笑う
その笑顔は、とても癒される
「もう一人・・・ほしいですか?」
少年が尋ねる
母は、ゆっくりとうなづいた
「そうね・・・。出来れば・・・流れてしまった私の最初の子を・・・産みたいわ」
母がそう答えると、少年はニッコリと笑った
「分かりました」
「え?」
その途端、母は、自分のおなかがとても温かくなるのを感じた
その感じは、かつてわが子を身ごもったときと同じだった
「貴方は・・・誰?」
母の問いに、少年はふわりと笑って答えた
「“全てを始まらせる新たな誕生・【始まり】”」
------------------生命の息吹きは神の息
新たなる誕生に駆け巡る----------------