複雑・ファジー小説

Re: 姉妹の誓い 〜絆〜 【オリキャラあと一人!!】 ( No.262 )
日時: 2012/07/30 12:35
名前: 優 (ID: AKehFwYl)

第二十九話 名前



煙が舞う
辺りにいた人たちはパニックに陥る
そんな中、ゆっくりと体を起こすローブ


「・・・」
「・・・もう少し早く言ってやれ」
「ごめんなさい、姫様」


崩壊している建物の上に乗っている少女と子供はローブを見下ろす


「平気か?」


少女が声をかける
ローブはうなづいた


「姫様、この匂いは・・」


真剣な顔つきで見上げてくる子供に少女はうなづく
そして目をそちらに向ける


「・・・・・無礼な奴だな・・・仮にもお前たちのリーダーの妹だぞ」


グラッと何かが揺れた


「リーダー?は!笑わせるな」
「リーダーですか・・・まぁそう見えるでしょうね」


揺れた何かは人間だった
一人は青年
もう一人はナイフを持つ黒い髪の男


「はじめまして、僕は空和(そらわ)といいます」
「俺はルヴェリだ」


丁寧に挨拶までしてくる二人
少女は二人から目を離さずにローブのところへと降りた
子供もついてくる


「・・・私は・・・」
「結構。貴方の名前は知っています」
「!」


少女が名乗ろうとすると、空和が片手で制した
“知っている”
確かに空和はそういった
子供とローブは警戒を強めた


「癪だけど俺らのリーダーの双子の妹、俺たちと敵対している奴らの筆頭・・・」
「レイト」
「それがお前の名前だ」


ニヤリと笑うルヴェリ

ダンッ!


「!」


キイー・・・・ィィン


刃物と刃物がぶつかり合う音がした


「・・・ガキんちょ・・・威勢がいいのはイイコトだがもう少し可愛げがあったほうが好かれるぜ?」


ルヴェリはナイフをググッと押す


「そんな殺意のこもった目で睨むんじゃねぇよ」


笑いながら押し続ける
そのナイフに押されているのは子供
脇差の鞘でナイフを抑え、刀は首元を狙っている


「ルヴェリ・・・」
「分かってるよ」


空和の声にルヴェリは子供を一気に突き飛ばした


「ゥ・・ッ!」
「巳好(みずき)!」


レイトが子供・・・巳好が落ちる前に抱きかかえる


「平気・・・?」
「・・・ぅん、大丈夫かな?」


巳好は笑ってレイトから離れる


「ガキだと思って甘く見ないでよ?」


ニコッと笑った


「・・・似たような台詞、さっきも聞いたな・・・」


ニッと笑う


「・・・あなた方にはここで立ち止まっていただきましょう」
「私は止まらない。<アイツ>を止めるまでは」


空和とレイトはお互いに間をとる

一瞬の静寂・・・・


「緑(りょく)!“囲め”!」


レイトは叫ぶ


その瞬間

全員が地面を蹴った