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第三十四話　神の消滅・誕生


神様は言いました。


『我は今から世界を救いに行ってくる。しかし還ってはこれない。後の事はお前たちに任せよう』


十二の存在は悲しみました。

そんな彼らに神様はすべてを教えました。

すべてを与えました。


『お前たち十二の者で全てを見極め、選択し、導け。我が力、【全知】をお前たち全員に授けよう』


神様は最後の力を渡しました。

十二の存在は全てを知りました。

そして絶望し、喜び、悲しみました。

神様が世界へ降り立つとき、十二の存在は神様に抱きつきました。


『これが神の役目なのだ』


そういうと神様は降りていってしまいました。

十二の存在は神様の姿を最後まで見ていました。

神様が世界を救ったとき、神様の姿は薄くなっていきました。

泣き出した者もいました。

悔しそうにする者もいました。

けれど顔を背けたりはしませんでした。

神様は消えるその最後の瞬間に、十二の存在に言葉を残しました。


『　　　　　　　　　　　　　　　　　　　』


十二の存在はお互いを抱きしめあいました。

神様は消えました。


新たな神様たちは世界を豊かに育んでいきました。


全員で力を合わせて。











『世界と神は一つで、お前たちは十二で一つ』


神様の言葉は十二の存在を永遠に繋ぎとめました。

十二の存在は神様の言葉を絶対に忘れませんでした。