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複雑・ファジー小説
- Re: 姉妹の誓い 〜絆〜 【オリキャラあと一人!!】 ( No.287 )
- 日時: 2012/10/21 10:25
- 名前: 優音 ◆XuYU1tsir. (ID: AKehFwYl)
第一話 夢⇔現実
夢の中。
辺りは一面白だった。
雪が降っていて、吐く息も白かった。
だけどつながれた手は暖かかった。
懐かしいにおいがした。
『嶺、どうしたの?』
優しい声が聞こえる。
きっと母さんなんだろう。
顔は見えないけれど、微笑んでいた。
『陽、お兄ちゃんは眠そうだぞ?』
父さんの声だろう。
楽しそうに笑う妹の声も聞こえた。
陽の顔ははっきり分かる。
その顔は嬉しそうな笑顔で輝いていた。
あぁ、これは夢なんだな。
そう思ったら母さんが僕を抱き上げた。
温かい、人間の体温。
それは確かに昔に感じたことのあるもので。
あぁ、今まで夢を見ていたんだ。
フワリとした母さんの髪に顔をうずめて目を閉じた。
陽も父さんに抱きついて眠っている。
そっか。夢だったんだ。
心地のいい香と温かさは、懐かしくて。
そのままもう一度眠りに墜ちた。
大きな手に抱かれていた。
誰かは分からない。
けれど、知っている。
『陽、お兄ちゃんは眠そうだぞ?』
懐かしい声。
あぁ、お父さんなんだ。
嬉しくて嬉しくて、笑顔が溢れた。
隣は綺麗な女の人がお兄ちゃんと手を繋いでいた。
お兄ちゃんも嬉しそうに笑っていた。
あったことのないお父さんとお母さん。
これは夢なんだろう。
だけど抱っこされていて眠くなってきて・・・。
夢で眠くなるのはないよね、と思って本当だと思い始めた。
お父さんとお母さんの心地のいい声と、初めてしった家族がそろったときの喜びが嬉しくて、そのまま目を閉じて眠った。
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