複雑・ファジー小説

Re: 姉妹の誓い 〜絆〜 【第三章突入】 ( No.289 )
日時: 2012/11/01 21:26
名前: 優音 ◆XuYU1tsir. (ID: TQfzOaw7)

第三話 視界の戦い



フードの人影は二つの戦いを常に視界に捕らえていた。

一方は冷静な頭脳戦。
お互い息も乱れていない。
レイトは右手を構え、空和は瞳を開眼している。

もう一方は少々雑な戦闘。
能力者対一般人。
勝敗は明らかだったはず。
しかし、そこへ突如浴衣姿の少女が現れた。
しかも能力者と見る。

緑は暑苦しそうなフードを取る。


フードの下から現れたのは、顔立ちのよく整った綺麗な青年だ。
年は20歳にいくかいかないかぐらいではないだろうか。
サラサラの髪の毛は深い沼のような緑色。
片目が前髪で隠れている。


「・・・」


緑は無言を突き通す。


一方から聞こえてきた爆発音。
そちらへ目を向けて緑は瞳をわずかながらに揺らした。


















土の塊を操りながら巳好は、少女を警戒していた。
能力者だということは明らかだ。
しかし、能力が分からない。
もしかしたら自分の能力を打ち消す能力か、それとも、自分の能力とは反対か。
どちらかに当てはまれば巳好は不利になるだろう。

小さく舌打ちをした。


「・・・『畏れ』たね」


少女はゆらりと言い放った。