複雑・ファジー小説

Re: 姉妹の誓い 〜絆〜 【第三章突入】 ( No.293 )
日時: 2012/11/30 19:43
名前: 優音 ◆XuYU1tsir. (ID: TQfzOaw7)

第七話 愛+憎悪→妹へ


鏡に映った自分の瞳が好きだった。
大好きな妹と同じ瞳の色。
左右別々の色だったけど、好きだった。
けれど、いつからか私の瞳は違う色になった。
黒い、黒い、闇の色。
妹の瞳は綺麗な、綺麗な光の色。
私の眼と妹の眼が変わってしまったあの日から、私たちの運命も変わってしまった。

鏡に映った自分の瞳が嫌いになった。
大嫌いな妹と違う瞳の色。
漆黒の色。

そして気づいた。

私の、自分の内に眠る能力に。

だから。

私は裏へといった。
裏の化け物を従わせ、私の意志についてきてくれる裏の能力者たち。
私は裏の世界の頂点へとたった。

久しぶりにいった表の世界。
妹を見かけて驚いた。
彼女も能力を開花させていた。
強い意志のこもった白い瞳が、私をイラつかせた。

その夜。
私は化け物に命じて表へと進行させた。
だけど、妹がそれを止めた。
イラつく。

妹は私に対抗するために表を支え始めた。
妹の下に集い始める能力者たち。
裏の私の元に集う能力者たち。
表には化け物殺しの一族が。
裏には化け物が。

互角の勢力。

能力者を集めているとき、私の心が憎しみで支配された。
妹とは違う私。
いつもいつも違った。
愛くるしい妹。
憎らしい妹。
大切な妹。
大嫌いな妹。
守りたい妹。
殺したい妹。

ぐちゃぐちゃの思考の中、考え付いた結論は、『この世界を統一する』こと。
一つになれば、私は感情を抱かずにすむのではないだろうか。
統一した世界の頂点に君臨して、反抗勢力を潰して、妹をどこかに閉じ込めておいたら。
殺したいのに殺せないから。

歯向かう妹。
だったら世界最大規模の戦争を始めよう。
姉妹の戦いを。
愛すべき妹よ。
憎らしい妹よ。
私を倒しに、私が倒しに。
どちらかが負けて、どちらかが勝つ。
もし負けたなら、私は__________。








輪廻転生を信じて、もう一度やり直したいな。