複雑・ファジー小説

Re: 姉妹の誓い 〜絆〜 【第三章突入】 ( No.294 )
日時: 2012/11/30 19:44
名前: 優音 ◆XuYU1tsir. (ID: TQfzOaw7)

第八話 悲哀+祈→姉へ


鏡に映った自分の瞳が好きだった。
大好きな姉と同じ瞳の色。
左右別々の色だったけど、好きだった。
けれど、いつからか私の瞳は違う色になってしまった。
悲しくて悲しくて、涙をこぼした。
姉は泣かなかったけれど、残念そうな顔をしていた。
私の眼と姉の眼が変わってしまったあの日から、私たちの運命も変わってしまった。

鏡に映った自分の瞳が嫌いになった。
大好きな姉と違う瞳の色。
純白の色。
綺麗な姉の黒い瞳がうらやましかった。

暫らくして、姉が消えた。
私の前から姿を消した。
捨てられたと思った。
私はずっと泣き続けた。

風の便りで裏の世界が勢力を集めていると知った。
そんなこと興味なかった。
でも。
姉とすごしたこの世界。
この世界が好きだといった姉の言葉。
それは守らなければいけない。

私は能力を開花させた。
この世界を守る。
姉が帰ってきたときに、姉と共にまだ私がこの世界で生きるために、
化け物がきた。
私は食い止めた。

その日から、私は力になってくれる仲間を集め始めた。
すぐには集まらなかったけれど、世界の異変を、裏の世界のことが回り始めて能力者たちが集い始めた。
化け物殺しの一族もいた。

互角の勢力。

能力者を集めているとき、私の心は悲しみで支配された。
姉とは違う私。
いつもいつも違った。
美しい姉。
私を守るといった姉。
それなのに、何故いなくなる?

戦う中で知った。
姉が裏にいると。
裏を滅ぼそうと考えた黒い思い。
しかし。
『裏の世界を治めているのはあなたの姉君です』

思考が止まった。
何故姉が?
何故何故何故何故何故何故?

ぐちゃぐちゃになる頭の中。
考え付いた結論は、『表と裏を統一する』こと。
一つになれば表も裏も関係なくなる。
みんな幸せにすごせるだろう。

私の姉が裏へいったから起こった悲劇。
それを私は終わらせよう。
どうせ一つになっても私は生き残らない。
姉と共に散ろうと決めた。
その後の世界は生きているみんなでどうにかすればいいと思う。
私は姉を止める。
慕う姉はもういないのだと再認識した。
敵同士。
私は姉を必ず止める。

狂ってしまった姉。
だったら表世界は全力で裏を食い止めよう。
戦争なんて起こさない。
私と姉さえ消えればそれでいい。
姉妹の戦いを。
慕うべき姉よ。
狂った姉よ。
私が倒して、私も散ろう。
どちらかが負けて、どちらかが勝つ。
そんなことはさせないから、安心して。
双子の私たちは、最後まで一緒にいるから。
もし戦わなくてすむのなら_______。













また一緒に暮らせるかな。