複雑・ファジー小説
- Re: 姉妹の誓い 〜絆〜 【第三章突入】 ( No.296 )
- 日時: 2012/12/22 09:41
- 名前: 優音 ◆XuYU1tsir. (ID: TQfzOaw7)
第十話 喰われた?
ネイトの命令により、ホロウとメーラは一番ゲートへと向かった。
そこで目にしたのは、焼けた野原。
抉れた地面。
戦いがあった証拠だ。
「・・・あー・・・。喰われたんかなぁ」
少し遅かったかも・・・。とメーラがつぶやく。
しかし、ホロウがいや、といった。
「?でもこの惨状みたら・・・」
「食べられてないよ・・・。そうこの花が言ってる」
「花ぁ?」
ホロウの所まで行くと、小さな花が咲いている。
水色の不思議な花だ。
そういえば・・。とメーラは頭の中で考える。
ホロウの能力。
それは・・・。
「僕の能力は草木と心を通わすことだからね。この花が教えてくれたんだよ」
ニコリとホロウは微笑む。
心優しいホロウにはピッタリの能力だと、メーラも微笑んで思った。
「じゃあ、一体何処行ったん?」
「うーん・・・分かるかい?お花さん」
花が揺れる。
風など吹いていないのに・・・。
「・・・そっか。ありがとう」
ホロウは立ち上がる。
「わ、分かったん?」
「うん。なんか・・・すごいことになったらしいよ」
そういうと、少し困ったように笑う。
メーラは首をかしげた。
ピチョンと水音がした。
まぶたが震える。
そして目が開く。
痛む体を起こして周りを確認する。
暗い・・。
手の中で小さな炎を作ると、辺りが見えるようになった。
「・・・ネイトゥ?」
声をかける。
先ほどまで一緒にいた可憐な少女を探す。
「・・・はぐれたか」
小さくもらすと、勝はため息をつく。
「ぅ・・・・ん?」
「!」
うめく声が聞こえた。
そちらへ炎を向けると、桃色の髪が目に入った。
「ネイトゥ!」
駆け寄って、体を起こす。
怪我は・・・ないようだ。
「大丈夫か?普通・・・ここまで無傷なのはおかしいと思うのだが」
眉をひそめる。
ネイトゥの目が開き、大きな瞳がこちらを見つけた。
その綺麗な瞳に、一瞬ドキリとする。
「あれ・・?ショウ・・・?ワタクシ・・・あの・・・怪物におそ・われて・・・・?」
頭に手を当てて考える。
「あぁ・・・あれは確か・・・」
「ドラゴン」