複雑・ファジー小説
- Re: 姉妹の誓い 〜絆〜 【第三章突入】 ( No.301 )
- 日時: 2013/02/24 09:25
- 名前: 優音 ◆XuYU1tsir. (ID: TQfzOaw7)
第十三話 危ないっていうこと
「あぁ、たぶんあのドラゴンは<アイツ>のペットかなにかだと普通に考えてみれば分かる」
「じゃあ倒してもよろしいのですの〜?」
ネイトゥの問いに勝は少し間をとり、うなづく。
「襲ってきたのはあちらだ。それに、<アイツ>なら別に何とも思わないだろう」
そう結論付けた。
ネイトゥもうなづいて立ち上がる。
「では、頑張りましょう!」
「そうだな。いつまでもここにいるわけにはいかないからな」
洞窟から外へと向かう。
何かの声。
耳を劈く轟音。
メーラとホウロはとっさに耳を覆った。
「な、なんやの、この声は!」
「きっと・・・ここの番人・・・っ!」
空気を切り裂く音がする。
「!メーラ、飛んで!!」
「えぇっ!?」
気付いたホウロがメーラの腕を掴んで上へと飛び上がる。
その瞬間、先ほどまでいた場所に生えていた草が一瞬で切り裂かれた。
もし、あの場にいたら・・・。
「え、な、何で切れたん!」
「分からない!でも、多分風圧だと思う!」
「風圧?」
眉をひそめて聞き返す。
それほど高くない木の枝に降り立つ。
「うん。僕の考えだから間違ってるかもしれないけど、ここの番人の爪が思い切り振り下ろされたか何かで生じた風圧がこっちまできたのかもしれない」
「じゃあ・・・何や、攻撃でも受けとるんか?」
「そうかもしれない」
メーラの言葉にホウロはうなづく。
ふぅ、と息を吐く。
「・・・新しいお仲間たちが危ないっていうこと?」
「多分ね」
お互いに視線を合わせて、うなづきあう。
「ここの番人は一番厄介やってデブ猫が言っとった。早く行かないとヤバイかもしれんね」
「うん」
バッと枝から飛び降りる。
そして足に力をこめて・・・・・一気に走り出した。
「そうや、ホウロ!」
「何?」
「どっちが先に着くか勝負しいひん?」
楽しそうに語りかけるメーラ。
ホウロは一瞬キョトンとして、すぐに微笑んだ。
「いいよ!」
「じゃあ、勝負や!」
「負けないよ」
「うちもやで」
笑いあって走り抜ける。
仲間が危ないというときに・・・、と突っ込む者は木々や花たちだけだった。