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第十三話　兄妹


「おなか減ったよぉ・・・」
「うるさいっ！静かに出来ないわけ！？」
「だってぇぇ！！おかあさぁぁぁん！！！」
「ええい！うるさいうるさい！！」


パンッ


乾いた音がする
さっきまで泣きじゃくっていた二人の子供は途端に泣くのを止めた
兄妹なのだろうか？顔が似ている
そのうち、女の子の方が頬に手を当てている
叩かれたのはこちらなのだろう


「まったく・・・。どうして、こいつらをあたしが面倒見ないといけないわけ？あんな女のガキなのに・・・」


少女に手をあげた女性は爪を噛みながら言った
言葉の内容から、この子達の母親では無いのだろう


「痛いよぅ、嶺・・・」


少女が小さく言った
側にいた男の子は「後でお薬塗ってあげるから・・・」と言う


「何ボソボソといってんだい！？さっさと水汲みに行くんだよ！このグズ！！」


女性が子供達に向かって怒鳴る
女の子はビクッと肩を揺らしてから、のそのそと立ち上がった
男の子も後に続く
二人は扉を開け、外へ出て行った
残された女性は息を荒くし、テーブルの上の写真に目をやる


「アンナ・・・」


小さな小さな声で女性はつぶやいた