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第十四話　嶺と陽


「嶺、痛いよぉ・・・」


女の子が涙目で訴える
足が赤く、はれ上がっている


「もうちょっとだから・・・。家に帰ったら冷やしてあげるよ」


男の子が女の子の隣に座る
しっかりとした感じの子だった
とても、あの虐待を受けている子の目とは思えないほど・・・


「頑張ろう？ね、陽」
「うん・・・頑張る！」


ふらふらと立ち上がり、女の子は男の子と手をつなぐ
男の子・・・嶺（りょう）はその手を握り締める
女の子・・・陽（よう）はニコッと笑った
ただ、痛いからか、辛そうな笑顔だった
嶺は一瞬、悲しそうな顔をし、すぐにニコッと笑った
陽は嶺の一瞬の表情を見逃していた


「あとちょっとだよ！陽！！」
「うん！走っていこう！嶺」


お互いに笑いあいながら走っていく
ただ、陽の足にあわせて・・・