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第二十二話　ネイトゥの声


「ぁ・・・」
「どうかしましたか？」


ルヴェリに青年が尋ねる
先程の“恐れ”がまだ舞の身体から放たれている


「ネイトゥの声が・・・聞こえた・・・」
「ネイトゥの？」


青年が怪訝そうに繰り返す
「ああ・・・」とルヴェリは言う


「叫び声だった・・・悲痛な・・・」
「何故ですか？ネイトゥは今、ショウと共にいるのですよ？」
「分かっている・・・。だが、確かに聞こえた・・・」


そういって、ルヴェリは空を見上げる
青年はため息をついた


「一応、僕は記録者ですから、ココから離れることは出来ませんよ」
「分かってるよ」


青年の言葉に、ルヴェリは苦笑しながら答える


「・・・あのねぇ、意味分かりましたか？」
「はっ？」
「『僕は』といったんですよ、『僕は』とね」
「ああ、そうだな・・・」
「はぁ〜・・・」


青年は頭に手を当てて、ため息をつく
ルヴェリは何のことか分かっていないようだ


「ルヴェリ、貴方は離れられるンですよ！？ネイトゥたちの様子を見に行く事だって出来るんです！！」
「ああ！！なるほどなっｂ」
「何が、『ｂ』ですか！！それくらい分かるでしょう！！？」
「悪い悪い；；んじゃま、行ってくるわ」


ルヴェリがそういった
「はいはい」と青年は手を振り、戦乱に目を戻した


「（まったく・・・僕たちといるときだけの性格ですか、アレが・・・）」




そう心の中でつぶやいて、舞を見つめる



「（“狂乱一族”・・・舞・・・お手並み拝見！！）」