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複雑・ファジー小説
- Re: 妖怪を払えない道士【第二十一夜完成】 ( No.109 )
- 日時: 2011/08/09 19:09
- 名前: 王翔 (ID: IWPIvALs)
第二十二夜 序章
いつも青い空が真っ白に染まり、太陽の光も地上に届くことのない雪の日であった。
森の木々や地面にも白く輝く雪が降り積もるなか、一人の少年がいた。
背に黒い羽を生やした小さな少年である。
少年は、天を仰ぐ。
「雪かぁ……きれいだなー」
嬉しそうに目を爛々と輝かせながら呟く。
ふと、足音が聞こえ振り向くと一見少年のようにも見える少女が立っていた。
少女は無愛想な表情でマフラーを差し出し、
「これを使え、今日は寒い」
「僕、寒くないから大丈夫だよー。妖怪だし……」
むっとした少女は少年にマフラーを押し付けた。
「ガキはすぐ凍死するんだ。だから巻いておけ」
「でも、お姉さん震えてるよ?」
「き、気のせいだ。早く持って行け」
「分かったよ、ありがとう。えーと……お礼がしたいな。お手伝いとかない?」
少年が朗らかな笑顔を浮かべて問うが、少女は相変わらず、むすっとした表情をしていた。
「ない。私はもう帰るからな」
少女はそう告げると早々に立ち去ってしまった。
「お礼、できなかったな。いつか、できるといいなぁ」
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