複雑・ファジー小説

Re: 妖怪を払えない道士【闇鴉はニコニコ】 ( No.26 )
日時: 2011/07/20 14:21
名前: 王翔 (ID: HHprIQBP)

第十二夜




「はいはーい、ストップだよ〜」
闇鴉は、相変わらずにこにこしていた。
「闇鴉…」
風白鳥は、闇鴉に歩み寄る。
「久しぶりか…知らない間に道士の元にいるとは」
風白鳥が真剣な表情で言うが、闇鴉は相変わらずにこにこして、
「だって、退治されちゃうのいやだからね〜」
「つまり、私とは敵同士ということか」
「うん、そうなるね〜」
「……」
私は、銃を構え、引き金を引いた。
ドン!
「おっと」
風白鳥は、すんなりと避けた。
「まだ、そんな力が残っていたか」
「ああ…それなりに、鍛えてるからな」
まさか、もう動けませんなんてことには、なりたくはない。
「はいはい、千羅ちゃん、もういいよ。無理してたら死んじゃうよ〜」
「そんなこと、言われても…」
「トドメを刺すのは僕だよ?」
「……」
確かに、私は妖怪を倒すことはできない。
「分かった…」
私は、頷くと渋々下がった。
「じゃあ、風白鳥。僕と勝負する?」
闇鴉が笑顔で問いかける。
「いや、やめておこう」
そう言い、風白鳥は高く飛び上がり、どこかへ行ってしまう。
それにより、巻き起こった風で木々の葉や草花が揺れる。
「おい、アイツを逃がしたら…」
「大丈夫だよ。今日は、もう帰ろう。そんなんで、死んじゃっても知らないよ〜?」
「……」
仕方なく頷いた。