複雑・ファジー小説

Re: 妖怪を払えない道士【闇鴉はニコニコ】 ( No.32 )
日時: 2011/07/21 10:54
名前: 王翔 (ID: V2rxE08r)

第十三夜


結局、私は神社に帰ってきた。
玄関で、アメ小僧が出迎えてくれた。
「おかえりなのーって、たたった大変なのーーーーーーー!!」
アメ小僧は、私を見るなり青ざめて騒ぎ出した。
あまりにもうるさいので、軽く頭をこづいてやった。
コツン
「落ち着け、騒ぐなバカ」
「でも、千羅すごいことになってるなのー…」
「大丈夫だ。これぐらい、慣れてる」
アメ小僧が心配しているのは、私の傷のことだろう。
まあ、これだけ傷だらけなら、普通の反応なんだろうが。
「でもー…」
まだ心配そうにしているアメ小僧に対し、
「構うな」
「うー」
「千羅ちゃん、僕が治してあげようか〜?」
闇鴉は、笑顔で言う。
「治せるなら、何でさっき治さなかった」
「忘れてたんだよ〜」
「……」
ため息をついた。
コイツのことだから、仕方ないか。
とりあえず、靴を脱いで上がると、台所の椅子に腰掛けた。
多分、怒った顔してるんだろうな。
自分でもなんとなく分かる。
「さっさと治せ」
「はいはい」
闇鴉は、やれやれといった表情で返事をした。
闇鴉が、手をかざすと弱い風が巻き起こり、一瞬にして傷が跡形もなく消え去った。
「これは…」
「すごいでしょー?」
嬉しそうに闇鴉は言った。
「…そうだな」
それにしても、風白鳥か。
あれは、早く倒さないとまずい気がする。