複雑・ファジー小説
- Re: スピリッツ (戦争鎮圧編) ( No.11 )
- 日時: 2011/07/23 00:38
- 名前: ベクトル (ID: j553wc0m)
第9話 「金山基地鎮圧作戦、後編!!」
エアロバードから飛び降りたアキトとホープは無事着陸した。
「・・着陸完了。・・作戦を開始する。」
アキトは周りを見るとすでに10人程度の兵士がいた。
「やれ!! やっちまえ!!」
一人の兵士の合図で一斉に襲ってきた。
アキトはゆっくり鞘を手に取り、構えた。
「・・後ろは頼む、ホープ。」
「うん!! 任せて。」
アキトはまず近づいてきた兵士の剣をかわし、突きで吹き飛ばした。
「うおぉぉーー!!」
そのまま持ち前の速さで敵の攻撃をかわしつつ、正確に敵を倒していった。
「ぐっ!! やはり強い!!」
兵士の一人が後ろから剣を振り下ろすが、それをあっさりかわし、横腹を殴った。
アキトは・・確実に初めより強くなっていた。
戦闘に慣れてきて、相手の動きもよく見えるようになっていた。
(よく・・・見える!!)
「はあぁぁ!!」
ホープもレイの武器であるダブルショットをコピーし、連射して敵を倒していった。
「こいつも銃か!? ・・聞いてないぞ?」
「残念だね。銃だけじゃないよ。」
ホープの周りに風が集まる・・。
「ウインドスラッシャー!!」
風の刃が散らばり、兵士を切り裂いた。
「ぐあぁぁーー!!」
「・・先を急ごう。ホープ。」
「うん。」
「いい?そのまままっすぐ行って、まずは建物の中に入って!!」
「了解。」
二人は通信機から聞こえるセリアの声を頼りに先に進んだ。
「ほい! よっ! ほいさ!」
レイは空中から出入り口に近くに来る兵士を狙撃していた。
「さあ、来るなら来いよ。楽に倒してやるよ・・。」
「そのまままっすぐ!! その先にコントロールルームがあるわ。」
「了解!!」
レイとホープは敵の追撃をかいくぐり、ついにコントロールルームの前に来た。
「パスワードは23689よ。ホープ!!」
「分かってる。」
セリアの言った通りにホープは素早く打ち込み鍵を開けた。
「開いたよ。」
ホープは扉をあけ、中に入った。
中はさっぱりしていて、中心に装置があった。
ホープはコンピューターの前に立って、
「セリアさん、自爆装置はどうすれば・・・。」
「うーん・・結構複雑よ。それにロックを外さなきゃいけないし・・」
セリアは少し悩んで、よし、っと言い、
「ホープは私の言うとおりに入力して。アキトは見張りを頼むわ。」
「・・了解。」
「それはできないなぁ。」
「・・!!」
アキトとホープはどこからか聞こえる声にびっくりした。
「・・誰だ!!」
「こっちだよ。」
アキトの後ろからいきなり人が現れ、アキトの後頭部を殴った。
「ぐあっ!!」
アキトはとっさに受け身をとって態勢を立て直した。
「くっ・・・」
見るとそこには杖を持った男が立っていた。
「ようこそ。僕がここのリーダーだよ。名はスリス。」
スリスは頭を下げ、きちんと挨拶をした。
「お前・・七星か?」
アキトはキッとにらんでいった。
「僕は違う。でも・・弱くはないよ?」
「・・・それは今からわかる。」
アキトは戦闘態勢をとった。
ホープも加勢しようとしたが・・
「今は解除が先。アキトに任せましょう。」
セリアは冷静に判断を下し、ホープは従った。
「はあぁぁぁぁーー!!!」
アキトは距離を詰め、顔に向かって横切りを繰り出す。
その瞬間、目の前にいたはずのスリスが、霧のように消えた。
「何!?」
アキトは見失った。
(気配は・・・感じない。)
アキトの後ろのほうからスリスが突然出現し、アキトに向かって、
「サンダー!!」
雷が背後からアキトを襲った。
「ぐわぁぁぁーーー!!」
アキトからかすかな煙が出て、膝をついた。
「どうだい?僕の力は。君・・能力者だろ?」
「・・・お前も・・か・・」
スリスはコクッと頷き、
「いかにも。僕の能力は雲。僕は自由に姿をくらますことができる。もちろん攻撃はあたらない。・・ちなみに今の雷はこの杖に埋め込まれた魔法石の力さ。」
スラスラとしゃべるスリスにアキトはため息を漏らす。
「ん? なんだ? もう疲れたのか?」
「・・・おしゃべりだな・・お前。」
「・・何?」
「口は・・時に災いを生む・・。」
アキトはゆっくり立ち上がり鞘を構えた。
「何を訳の分からないこ・・」
アキトは一瞬で近づき、スリスを鞘で顔を殴り飛ばした。
「ぐほあぁぁ!!」
スリスは受け身をとり、頬を抑えながら、
「くうぅぅーー!! お・・お前ぇぇーー!!」
「・・お前は負ける。俺がお前を・・・鎮圧する!!」
アキトは鞘をもう一度ゆっくりと構えた・・。