複雑・ファジー小説
- Re: スピリッツ (戦争鎮圧編) 第9話更新! ( No.12 )
- 日時: 2011/07/23 10:10
- 名前: ベクトル (ID: j553wc0m)
第10話 「金山基地鎮圧作戦、終編!!」
ホープはコンピューターの解除に専念していた。
アキトはこの基地のリーダーであるスリスと戦っていた。
「きさまぁぁーー!! 俺の顔に傷を・・」
スリスは完ぺきにキレていた。
顔を殴られることはスリスにとっては死ぬよりも嫌なことだったのだ。
「ゆ・・許さん・・。俺を怒らせたことを後悔しろぉーー!!」
スリスはまた霧のように消え、姿を消した。
(・・落ち着け。集中だ・・。)
アキトは冷静だった。
気配がわからない以上、気配がした瞬間を狙うしかなかった。
アキトは全神経を集中に注ぎこんだ。
(・・そこだ!!)
アキトは右方向から来た雷の攻撃をかわした。
「なんだと!?」
そしてアキトはそのまま一気に近づき、腹部に強い一撃を食らわした。
「ぐあっ!! おのれぇー!! なぜわかる!?」
スリスはまた姿を消し、いろんな方向から攻撃を仕掛ける。
だが、アキトはそれを華麗にかわしつづける。
「くそ!! なぜだ!? なぜ当たらない!?」
「お前にもう・・俺はとらえられない・・。」
アキトは素早くスリスの背後に回り込んだ。
「なっ!! し・・・しまっ・・。」
アキトはまず頭に強烈な一発を叩きこみ、
「でえぇぇぇぇーーーーーー!!!!!!」
アキトはスリスに10発ほどの攻撃を叩きこんだ。
「ぐ・・ぎゃアぁぁーーー!!!」
スリスは吹き飛ばされ、完全に気絶した。
「はあぁ・・・はあ・・・」
アキトはぜぇぜぇと荒い息をしながら、その場に座り込んだ。
「・・・終わった。」
ちょうどホープも終わったらしい。
「爆発は三分後。急ぐわよ!!」
「・・了解!!」
アキトとホープは急いでその場を離れた。
兵士を退け、出入り口に向かった。
出入り口に行くと、着陸したエアロバードが待っていた。
「いそげ!! 時間がない!!」
レイは手招きしながら言う。
二人は急いで乗り込み、エアロバードはすぐに飛び立った。
そして・・金山基地は炎に包まれた。
エアロバードに戻り、みんな司令室に集まっていた。
「ミッションお疲れ様。」
司令室でセリアは拍手しながら言った。
「ふいー。疲れた・・。」
レイはその場に座り込む。
「今回のミッションの成功は大きいわ。」
「・・これで少しは世界は変わるのかなぁ?」
ホープは不安そうに言う。
「少しはね。だけど・・まだまだよ。」
「まだまだ基地はあるからな。」
ジークは軽く息を吐いて言った。
「・・・私たちにできることを・・すればいいと思う。」
フェリスは珍しく口を開いた。
「そのとおりよ。私たちができることを・・すればいいだけよ。」
「世界を・・・平和に導くために・・。」
「・・・ええ。」
アキトの言葉にセリアは微笑んでいった。
「・・ミッション・・お疲れ様・・。」
セリアはもう一度、みんなに伝えた。
「・・・お疲れさま。アキト・・。」
少し時間がたち、解散した後、二人きりの司令室でフェリスは言った。
「・・ああ。」
「けが・・大丈夫・・?」
フェリスは心配そうに言う。
「・・問題ない。・・かすり傷だ。」
スリスに殴られた頭を押さえそう言った。
「いたそう・・。」
「・・そうでもないさ。」
「・・本当??」
「ああ・・。」
「・・・」
「・・・」
二人は少し無言になった。
「・・アキトは・・なぜ戦うの?」
フェリスが先に口を開いた。
「・・戦争がない世界を・・見てみたい。」
「・・・なぜ?」
フェリスは首をかしげ尋ねる。
「・・戦争しか知らないからだ。俺は・・」
「・・・そっか。」
「ああ・・。」
フェリスは悲しい表情で下を向く。
「そのために俺は戦い・・世界を作る。」
アキトは強くいった。
「・・アキトは・・強いね。」
「・・そう思うだけだ。」
フェリスはくすっと笑った。
「・・じゃあ俺は部屋に戻る。・・またな。」
「うん・・。」
アキトはそう言うと、司令室を出た。
「・・・いつか・・叶うといいね。アキト・・。」
フェリスは小さくつぶやいた。