複雑・ファジー小説
- Re: スピリッツ (戦争鎮圧編) 第10話更新! ( No.14 )
- 日時: 2011/07/23 21:16
- 名前: ベクトル (ID: j553wc0m)
第11話 「ただいま〜♪」
金山での戦いから三日がすぎた。
ここのところは特にミッションがなく、ある意味平和だった。
現在、セリアさんは今後の動きをどうするか考えていた。
その間は割と退屈なのである。
その日の昼・・作戦会議室に緊急に呼び出された。
アキトはミッションと思い、張り切っていたのだが・・
・・・どうやら違うらしい。
「もうすぐリフィルが帰ってくるの。」
セリアは笑顔で言った。
「リフィルが!?」
フェリスは珍しく反応した。
普段感情をめったに表に出さないタイプだが、今回は特別のようだ。
「リフィルが・・か。」
「あのちびっこちゃんが・・ねぇ。」
「リフィルさんが・・」
「・・・・・・・誰だ。」
ジーク、レイ、ホープが「うーん・・」とつぶやくなか、アキトは一人首をかしげていた。
「そっか、アキトは知らないんだね。リフィルさんはこの船の船員・・つまり仲間だよ。」
ホープはいった。
「仲間・・か・・。」
「そ。これからは俺ら4人で活動・・と言うことだ。」
レイはため息をつきながら言った。
「どうしたの?」
「いや・・また一人子守りの人数が増えるな・・と。」
ホープの問いかけにレイはそっけなく答える。
「じゃあ・迎えに行きましょ。」
一行はエアロバードの入口のほうに行った。
「・・誰もいないぞ?」
「こっちこっち!!」
一同は振り返ると・・
「ただいま〜!! イエイ♪」
そこにはピースをしながらポーズを決めた・・・女の子がいた。
「リフィル!!」
「お帰り。リフィル。」
「よっす。元気だったか? リフィル。」
「・・よう。ちびっこちゃん。」
「久しぶりリフィルさん。」
「・・・リフィルというのはどいつだ?」
・・・・・・・・・。
「・・アキト? ・・・ボケてるの?」
「・・・そのつもりはないが?」
「この人がリフィルさんだよ。」
「・・何!?」
アキトは驚いて、表情が固まった。
「・・きづかなかったの?」
「ああ。・・みんな何を訳の分からないことを言っているのかと・・」
「・・・それは言いすぎだよアキト・・。」
ホープは冷静に突っ込みをいれる。
「えへへ。ただいまみんなかわらないね〜。」
「リフィル・・偵察お疲れ様。」
「うん♪」
リフィルはセリアと握手をしながら言った。
「女が・・戦うのか?」
「・・まあね。主に偵察と特攻が担当だよ。」
「・・特攻?」
「うん。リフィルの能力は風。そのとおり風を自在に操り、戦闘も可能だし、空を飛べる。」
アキトは驚きを隠せなかった。
リフィルは身長160cmと小柄、髪は青色の見た目はか弱い女の子。
アキト自身、本当に戦闘ができるのか疑問だった。
ふと、リフィルはアキトのほうを見た。
「あっ・・・!」
その瞬間リフィルは固まった。
(か・・・かっこいい!!)
「・・リフィル?」
フェリスは固まっていたリフィルに声をかける。
「あ・・うん。ねぇ・・・あの子・・。」
「・・アキトっていうの。同じ仲間になったの。」
「・・そうなんだ。」
リフィルはにこっと笑って答えた。
そして、リフィルは早歩きで近づき、アキトの前で止まった。
「初めまして。アキト・・・君?」
「・・アキトでいい。」
「よかった・・。」
リフィルはほっと胸をなでおろしていった。
「私はリフィル。ねぇ・・アキト?」
「・・なんだ?」
リフィルは顔を赤くし、もじもじしながら・・
「わ・・私と・・デートしよ??」
・・・・・・・・・。。
ええぇぇーーーー!?
アキト以外の一同は一斉に声を上げた。
「・・何この・・急展開。」
セリアは言う。
「・・青春だねぇ!!」
うんうんと頷き、ジークは言う。
「・・・別にかまわないが?」
「いいんかい!!!」
アキトの返答にレイとホープは同時につっこむ。
「ほんと? やったぁ!! じゃあいこ♪」
リフィルは強引にアキトの手を引いて行った。
「・・そんなに急ぐ必要あるのか?」
「早く早く♪ いこいこ!!」
リフィルはアキトとそのまま立ち去ってしまった。
一同はもちろん呆然。
二人が去っていく光景を見て、フェリスは・・・
「・・・なんか・・・いいなぁ・・。」
そっと呟いた。