複雑・ファジー小説

Re: スピリッツ (戦争鎮圧編) 第15話更新! ( No.29 )
日時: 2011/07/26 10:32
名前: ベクトル (ID: j553wc0m)


  第16話  「孤独に生きた少年 過去編(アキト編) 後編」


少年は泣きわめいた。
誰もいない静寂の雰囲気の中で・・ただひたすらと。

少年が頭を抱え、唸っている所に、

「おほっ!! 派手にやったなぁ。」
後ろから知ってる声が聞こえた。
この声を知ってる。

俺を鍛えた・・あのおじさんだ。

少年はすぐさま振り向き、
「きさまぁぁーーー!! 俺に・・・何をしたぁぁーー!!」
こぶしをブルブルと震わせて少年は言う。

「怒んなよ〜。運がよかったんだぜ? てめえは。」
おじさんはヘラヘラとしながら言う。

「いいか? お前が飲んだのは・・・禁薬、ノーテラスっていう薬だ」
実物を見せて言った。
・・・確かに俺があの時飲んだカプセルだ。

「こいつを飲むとうまくいけば・・スピリッツをさらに引き出すことができる。・・つまり、強くなれる。」
おじさんはニヤリと不気味な表情をして、
「しかし・・・大概は飲んだ奴は・・死ぬ。」

少年は背筋がゾクッとした。
ブルブルと震わせていたこぶしがピタッと止まる。

「だがお前は生きてる。だけど、お前は失敗だ。意味が分かるか?」
「なにが言いたいんだ!?」
少年は声を荒くして言う。

「お前は可能性がある。強くなれるための。死ななかったのはその意味だ。ちなみに・・飲んだ時に現れる高ぶる感情、これをコントロールしたとき、強くなれる。つまり成功だ。」
おじさんは殺気立っている少年を見てスラスラ答える。

「そんなことはどうでもいい!! 俺は・・・俺は・・。」
少年は剣を強く握りしめ、

「あんたを・・・・殺したい・・!!」
強く言い放つ。

「・・やれやれ。これだからガキンチョは・・面白いなぁ・・。」
おじさんは手を前に出し、手を招くようにして挑発する。

「俺の名はグリード。」
グリードはにやりと笑い、
「お前の大嫌いな・・レジスタンスの幹部・・七星の一人だ!!」
グリードは高らかに笑う。
人を見下すように・・大笑いする。

それを聞いて・・少年の憎悪の感情が・・・爆発した。

「グリィィーーーードォォーーーーー!!!」
少年は一気に接近し、剣で斬りつける。

「おせぇぇなぁ!! ガキンチョ!!!」
グリードはあっさりかわし、少年の腹に強烈な膝蹴りをくらわす。
「がぁぁはっ・・!!」

膝蹴りで少し浮いた少年の体を・・・
「おとなしく・・・寝てなガキンチョ!!!」
今度はサマーソルトで大きく蹴り上げる。
「ぐああぁぁっ・・!!」
少年は大きく宙を舞い、そのまま地面に叩きつけられた。

「く・・・そぉ・・・」
少年は必死に立ち上がろうとする。
が・・体が動かない。
たった二発攻撃をくらっただけで・・
体は全く動かなくなってしまった。

「無駄だ。俺様の力の強さは他の奴らとは桁違いに違う。」
グリードは少年の近くに近づいて行った。
「お前・・超人って聞いたことあるか?」
「・・な・に・・?」
少年は意味が分からないといった表情で見る。

「超人は、生まれた瞬間から他とは桁違いの身体能力を持つ者のことだ。俺様も超人だ。数少ないうちのな・・。」
グリードは話を続けた。

「超人にもランクがある。上級、中級、下級ってな。俺様はその中でもっとも強い上級ランクの超人だ。この世界に三人ほどしかいない内の一人・・。」
グリードは吐き捨てるように言う・・

「つまり・・お前とは体のつくりが違う。その証拠にお前はスピリッツ能力を使い、身体能力が上がっているが・・・それを使っても力の差は天と地の差。俺様がスピリッツ能力を使わなくても勝てる。」

グリードはそう言うと背中を見せ、
「・・俺様が憎いなら殺してみろよ。ガキンチョ君。」
グリードは高らかに大笑いしながら姿を消した。


おれは・・・弱い・・。
あいつが憎い・・。
・・・俺が・・・壊してやる!!
レジスタンスも・・あいつも!!

俺が・・平和を作ってやる!!!!

「グリィィィーーードォォォォーーーーー!!!!!!!!」
姿を消した憎きあいつの名前を・・
憎悪を込めて力いっぱい叫んだ。


この後、少年は世界を回りレジスタントを鎮圧していく。
そして・・彼らと出会う。


この事件によって・・・
少年は人を斬りつけ、殺すことにトラウマを覚え、

また・・
以前の彼は明るく、感情豊かな少年だったが、

そのショックによって一部の記憶と、感情が消滅した。

これは、彼にとって何よりも思い出したくない過去の事実であり・・
・・彼にとっては失うものが多かった。


その事件を誰にも経験させたくないゆえに・・
彼は平和を求め、戦い続ける・・。