複雑・ファジー小説

Re: スピリッツ (VS七星!! 動き出す野望編) 第31話更新! ( No.48 )
日時: 2011/08/07 00:54
名前: ベクトル (ID: j553wc0m)


  第32話  「プロト。」


「きゃあああーーー!!!」

ここは「ワイズタウン」。
今この町は・・・・襲われている。

「助けてくれえええーー!!!」
民衆の叫び声が飛び交っている。
なぜこうなったのか。

それは・・・反乱を起こしたからだ。

それによって殺人兵器が出動し、襲っている。
家が燃え、壊れ、そして叫び声とともに死んでいく人々。
・・・・・・悲惨であった。

このままでは町の人々は全滅・・・・・。


だが・・・・奇跡は起きた。


「はああああああーーー!!!!!」
声とともに振り下ろされた剣は、殺人兵器の手を切り裂く。
殺人兵器は、自分を攻撃した目標を確認しようと振り返る。

その瞬間、殺人兵器の頭部に剣が刺さり、派手な音と共に頭部は爆発しその場にドシーンと倒れた。

「早く逃げろ!!!」
少年アキトは民衆に向かって言い放つ。
「一刻も早く・・・・ここを離れろ!!」
アキトのいうことに素直に従い、必死に逃げる人々。
「・・・ホープ、レイ、リフィル。そっちはどうだ?」
アキトはみんなとつながっている通信機に呼びかける。

「民衆はなんとか無事逃がした。だが・・・・。」
レイは言葉が詰まり、少し黙る。


ナイツオブピースがなぜここに来たのか。
なぜすぐにこれたのか。
それはたまたま近くの上空を飛んでいた時、この町で反乱がおきた。
セリアは急いで彼らを町に向かわせたのだ。
もちろん・・・市民を守ることを前提に。
だができれば鎮圧も行いたいのだが・・・・

「・・・・数が多い!!」
船で敵の数を割り出したジークは言う。
「プロトを・・・ここまで投入してくるとは・・・。」
セリアはつぶやく。

この殺人兵器の名は「プロト」。
この人類で・・・最低の兵器の名だ。

「・・・とても鎮圧できません!!」
「・・くっ・・・やはり力の入れ方が違うわね!!」
フェリスの言葉にセリアはこぶしを強く握り言う。
「民衆の安全は確保できた。もう引いてもいいんじゃねえか?」
ジークは言うが、
「・・・いえ、まだいけるわ。作戦続行!! できるだけプロトを破壊して!!」
セリアは言った。

「・・・了解!!」
それを聞いた4人は、戦闘を続ける。


「おらああぁぁーーー!!!!!」
レイは二丁のレーザー銃で、連射してプロトを破壊する。
プロトの武器はさまざまである。
接近戦重視、射撃重視、火力重視など。

「・・・やべ!!」
ガトリングガンを持ったプロトが、レイに向かって攻撃しようとする。
「させない。ウインドスラッシュ!!!」
すかさずリフィルが風の刃で、プロトを真っ二つにし攻撃を防ぐ。
「ナイスだ!! 死ぬかと思ったぜ・・・。」
「えっへん♪」
レイが親指を立てて合図すると、それに対しリフィルも同じように返す。


「でええええぇい!!!」
ホープは得意の接近戦でプロトを殴り倒す。
そこに一体のプロトが大きな剣を持って近づく。
「アキト・・・借りるよ!!」
ホープはアキトの剣オメガをコピーして作り出す。
そして、プロトの攻撃を華麗によけ、その剣でプロトを縦に真っ二つ。

だが倒したのもつかの間、すぐに二機、三機のプロトが接近してきた。
「しつこい・・・な!!!」
ホープは何かをコピーして作り出した。
その手には・・・手りゅう弾。
ホープがコピーしたのは、なんとジョットの能力「創造」だ。

「あんましあんな奴の能力をコピーしたくないけど・・・。」
ホープはその手りゅう弾をばらまく。
「・・・今は仕方ないよね!!」
手りゅう弾は爆発し、一気にプロトを蹴散らした。


アキトも次々とプロトを壊していった。
(・・・なんて数だ・・!!)
果てしなく多いプロトの数に、アキトは「くっ・・」と言葉をもらす。

そこに一体のプロトが現れる。
「・・!!!」
そいつの手には・・・ロケットランチャー。
「・・・おおおぉぉーーー!!!」
アキトはそれに臆することなく、そのプロトに向かって走る。

放たれるロケットランチャー。
アキトの目の前で激しく爆発する。
周りの家も爆風で吹き飛ぶ。
煙で周囲を取り巻く。
プロトは目標を始末したと判断したのだが、

「俺は・・・・・ここだああぁぁーーー!!!!」
はるか空中から声が聞こえる。
その正体は・・・アキトだ。
どうやら爆発した瞬間、大きく跳躍してかわしたようだ。

「でええええええぇぇぇーーーー!!!!」
アキトはそのまま勢いよく降下し、そのまま真っ二つに切り裂く。
アキトはすぐさまその場を離れ、斬られたプロトは派手に爆発する。
「はあっ・・・はあっ・・。」
アキトは息を切らす。
ここまで倒しても・・・湧いてくる。

・・・が、そのとき、

「そこまでよ!! そろそろ限界よ。作戦終了。帰還して。」
セリアが通信機ごしにしゃべる。

「・・・了解!!」
4人はすぐさま町を離れ、船と合流する。


結局、町の破壊を守ることはできなかった。

だがセリアは「十分よ。」とつぶやいた。
仮にもこれから嫌でも戦う敵の一つ。
数を減らせただけでも十分だといった。


・・・確かにその通りかもしれない。
でも・・・こうやって・・・地道に破壊していくしかないのだろうか。
平和への道は・・・まだ遠い。


アキトは自分の部屋で、目を閉じてそんなことを考えていた・・・。