複雑・ファジー小説
- Re: スピリッツ ( No.6 )
- 日時: 2011/07/20 12:08
- 名前: ベクトル (ID: j553wc0m)
第4話 「アキト」
ーーエアロバード内ーー
レイとホープの二人はエアロバードに戻ってきた。
「お疲れ様。成功ね。どうだった?」
質問してきたセリアにレイはやれやれといった表情で、
「・・強かったぜ。動き、反応からして素人じゃなかった。」
「僕の動き以上に早くて、鋭かった。」
二人は素直に感想を述べた。
「なるほど・・。んで・・能力は?」
セリアが聞くと、ホープは少し首をかしげて、
「特定はできませんが・・僕の予想は多分身体能力の上昇です。」
「レイみたいに一部がずばぬけてではなく、全体的な上昇であると?」
「はい。彼は少なくとも超人ではないでしょう。そうはみえなかった」
セリアはなるほど・・とつぶやいた。
「確かにそうだとおもうが・・俺はこいつが超人ほどではないにしろ、もともとの身体能力もなかなかだとおもうぜ。でないと、あんな動きの戦闘に体が耐え切れない。」
レイは冷静に答えた。
・・そのとき、横になって気を失っていた少年は目を覚ました。
「く・・・・こ・・ここは。」
少年はうっすらと目を開いて尋ねた。
「ここは、私たちの本部よ。私の名はセリア。ここの管理者です。」
「・・いますぐここから・・くう・・!!」
どうやら体が痛むみたいだ。
「無理するなよ。しばらくは動けねぇよ。」
「く・・。」
少年は興奮を抑え、とりあえず横になった。
「あなたの名前は?」
セリアは優しく尋ねた。
「・・・・わからない。」
「わからない? もしかして君・・記憶喪失?」
「・・これはぶったまげた。」
ホープもレイも驚きを隠せない。
「ただ・・アキト・・この言葉は覚えている。」
「・・では今はそれを名前にしたらどう?」
セリアは言った。
「・・・」
「・・じゃあとりあえずそう呼ばせて。ねえ、アキト。」
セリアは真剣な顔になり、アキトにいった。
「・・私たちの団体・・ナイツオブピースに入らない?」
「・・・なに?」
アキトは不思議に思った。
(・・何を考えている)
「・・何が目的だ?」
「あなたは平和を求めている・・違う?」
「・・!!」
アキトは事実を言われて驚いた。
「なぜ知っている?」
「行動よ。行動を通して導き出した答え。」
「・・わかったからなんなんだ?」
「つまり・・あなたと私たちは同じ目的がある。」
アキトは思い出したように、
「・・そうか。最近レジスタンスに反抗する少数団体のこと・・」
「そう。私たちよ。平和のためよ。」
アキトは少しの間黙り、少し考えてから、
「・・あんたらと組めば、世界は変わるのか?」
「それをすんのは・・俺らと少年だけどな。」
レイはちょっと笑いながら言った。
「・・・わかった。協力しよう。助けてもらった礼もある。」
「そこは僕らのせいだけどね・・ごめんね。」
ホープは頭を下げながら言った。
「決まりね。」
「・・ただし条件がある。」
「・・何?」
「俺は基本的にはあんたらに従うつもりだ。だが・・俺が個人行動をとりたいとき、許可がほしい。」
アキトは真剣な顔でセリアを見た。
「・・了解よ。そのときはできるだけ二人にサポートしてもらうわ。」
「わかりました。セリアさん。」
「・・なーんかガキのお守りみたいだけどしかたねえか。」
ホープは快く、レイ渋々了解した。
「僕はホープ。よろしくね。アキト。」
「・・・よろしく。」
ホープは笑って握手した。
「レイだ。お兄さんがとりあえず面倒見てやる。手焼かすなよ?」
「・・了解。」
「・・・あいかわらず無口だ。」
レイはとりあえず頭を撫でてやった。
「・・フェリス・・です。よろしく。」
「・・ああ。」
「・・・・」
「・・・・」
「・・・あの二人は無口同士だから、会話できなさそうだな」
「・・うん」
レイとホープはお互いに頷いた。
「よっ!! 俺はジーク。よろしく。」
髪は茶色で身長は180のおじさんだ。
「仕事はそこのフェリスと一緒に二人でこの飛行船の舵のコントロールをしてるんだ。」
「・・・」
フェリスは相変わらずの無言。
「・・よろしく。」
指揮官「セリア」
操縦士「フェリス・ジーク」
船員「レイ・ホープ」
そして・・
髪は赤色。身長は160cm。
船員「アキト」
団体名 「ナイツオブピース」 (平和のための兵士たち)
この団体が後に世界を大きく動かすことになる・・・。