複雑・ファジー小説
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- 日時: 2011/09/09 22:48
- 名前: ベクトル (ID: j553wc0m)
第38話 「断罪」
ここは、ゴスペルシティ。
ついさっき、ここではレジスタンスに対しての民衆の反乱が起こっていた。
ここの町の人口はかなり多く、管理をしていたレジスタンス兵やプロトでは鎮圧ができずにいた。
いや、むしろレジスタンスのほうが不利な状況になっていて、民衆は勝ちを確信していた。
だが・・・・・一人の男がレジスタンス勢力に加勢した。
彼はレジスタンスの幹部「七星」の一人であり、
また、「サムライ隊」と呼ばれる独自に作ったチームのリーダーでもあった。
その「サムライ隊」を戦場に投入し、自分自身も戦った。
実力は圧倒的。
すぐに形勢逆転した。
民衆はいつしか逃げることに専念していた。
「はあっ・・・・はあっ・・!!」
民衆一人である男は、必死に逃げていた。
「どこに・・・・行くつもりなのだ?」
「・・・!!!」
逃げる男の前に立ちふさがる一人の男。
全身鎧で身を包む不気味な男。
彼こそが「七星」の一人で、「サムライ隊」のリーダー。
彼の手には一本の剣。
「ま・・・待ってくれっ!! 俺たちが悪か・・・。」
「反乱者は・・・・・断罪する!!!!!!!」
ーーエアロバード内ーー
「大変です!!!」
司令室にいるジークは、セリアに向かって叫ぶ。
「どうしたの!?」
セリアは驚いたように尋ねる。
「近くでレジスタンスが町を鎮圧しています!!」
「・・・!!」
ジークの報告にセリアは驚く。
「・・・・戦闘準備よ!!!」
それを聞いたフェリスは、船全体に警報を鳴らす。
「・・・ってことで、今から町のレジスタンスを鎮圧するわ。」
作戦会議室に集まった4人に説明するセリア。
「よっしゃあ!! やってやんぜ。」
レイは手をパチンとならし、気合を入れる。
「ただ・・・・気を付けて。どうやら、いつものレジスタンスとは少し違うみたいよ。」
「・・・・なぜ分かるんだ?」
セリアの不安そうな言葉に疑問を持つアキト。
「・・・どうやら普通の兵士じゃないみたい。」
セリアに変わって、近くにいたフェリスが答える。
「どういうことなのフェリス?」
首をかしげながら尋ねるリフィル。
「敵の武器のほとんどが刀や剣なの。それに服装もいつものレジスタンスのやつじゃなくて、まるでサムライみたいなの・・・。」
「・・・サムライねぇ。かっこいい気もするけどね。」
ホープは少し笑って言う。
「とりあえず油断は抜きよ!! 早速行くわよ!!」
「了解!!!!」
ーーゴスペルシティーー
「ぎゃあああぁぁーーーー!!!!」
すでにほとんどの民衆が鎮圧されていた。
斬られて悲鳴をあげている人もいれば、もうすでに悲鳴すらあげられない人もいる。
そこに・・・・彼らが参戦する。
「でえええぇぇぇーーーいぃ!!!!!!!!」
入口にいた見張りのサムライをアキトは蹴散らし、町の中に入る。
「残ってる人の救助が先だ。ホープは右。アキトは中央。俺とリフィルは左を担当する。行くぞ!!!!」
「了解!!!!」
レイが指示をだし、指示どうりに散らばる四人。
「くっ・・・・生き残りはいるのか?」
一人になったホープは周りを見渡し、つぶやく。
「貴様・・・・ナイツオブピースだな!?」
前を見てみると、4・5人のサムライが剣を構えていた。
「・・・やっと人気になってきたねぇ。なんか嬉しいよ。」
「覚悟しろぉ!!!!!!」
「そちらこそね!!!!」
レイとリフィルも辺りを見渡して、一般人を探す。
「くそ・・・・いねぇな!!」
「みんな逃げたのかなぁ?」
「だといいがな。」
レイは深刻そうな顔をして、辺りを見渡す。
「・・・ひでぇな。」
辺りを見ると、ピクリとも動かない人がいっぱいいる。
見ていて良い心地はしなかった。
「・・・・!?」
リフィルは何かに気付いた。
それは人の気配。
「レイ・・・・いるよ。」
「・・・・分かってるよ。」
レイはすうっと大きく息を吸い込み、
「コソコソ隠れてないで出てこいサムライ野郎!!!!!」
そう叫ぶと一気に辺りから10人ぐらいサムライが現れた。
「ばれていたか。行くぞ!!! やれぇ!!!!」
「おおおおぉぉーーー!!!!!」
掛け声とともに、サムライたちは一気に接近してくる。
「やるぞ!!! リフィル!!!」
「了解♪」
アキトは一人中央に向かっていた。
「助けてくれぇーーーー!!!!!」
「・・・!! 人の声・・・。」
アキトは声のする方向に行く。
たどり着くとそこには、しりもちをつき後ずさりする男と、剣を持った全身鎧の男。
「貴様は・・・・・断罪する!!!!!!」
「うわあああぁぁぁーーーーー!!!!」
「やめろぉ!!!」
男に向かって振り下ろす剣を、アキトは瞬時に鞘で受け止めて防ぐ。
「むっ・・!!! 何やつ!!!」
「逃げろ!!!」
それを聞いて、男は一目散に逃げ出す。
「でえええぇーーい!!!!」
アキトは力いっぱい男の剣をはじき、距離をとる。
「ぬ・・・・やりよるなお主。名はなんという?」
「・・・・アキトだ。」
「われの名はカムイ。七星の一人なり。」
「なっ・・・!?」
アキトは驚きを隠せなかった。
七星の一人ということはかなりの実力者。
セリアから「戦うな」とも言われている。
だが、だからとはいって引くわけにはいかなかった。
「・・・・俺が・・・・倒す!!!!」
どうせ戦う運命。
なら、今戦ったって変わらない。
・・・やってやる!!
「逃がした男の分・・・・償ってもらう!!!」
「おおおおおぉぉぉーーーーー!!!!!!!!」
七星という強敵に向かって、アキトは立ち向かっていく。