複雑・ファジー小説
- Re: スピリッツ ( No.7 )
- 日時: 2011/07/20 23:04
- 名前: ベクトル (ID: j553wc0m)
第5話 「それぞれの事情 パート1」
アキトが「ナイツオブピース」に入って五日後。
ようやくアキトは場の空気に慣れたころ、ふと思った。
(俺は・・ここにいる人のこと何も知らないな・・。)
・・・ということで
「・・・教えてくれ。」
「・・・何をだよ。」
レイはいきなりの質問に戸惑っていた。
「俺はお前らのことを何も知らない。だからいろいろ教えてくれ。」
「なんだよ〜。わかったよ。質問してくれ。」
「じゃあ・・・」
アキトは少し考えて、
「前から聞きたいことだったんだが・・レイの特殊能力は視力が上がるという能力。それは役にたつのか・・?」
レイはやれやれといった表情でいった。
「役に立つに決まってんだろ。たとえば・・はるか遠くにいる敵を目視できる。もちろん俺の銃はレーザーだからそのまま狙い撃つことも可能だ。」
レイは自信ありげにいった。
「・・どのくらいの距離だ?」
「まあ・・一キロ(1000m)ぐらいは射程範囲内だ。」
「・・・すごいな。」
「まあな。」
レイはハハハっと笑っていった。
「そういや、俺も聞かせてくれよ?」
「・・なんだ?」
アキトは首をかしげながら尋ねた。
「なんでお前・・背中に折りたたんでる剣があるのに、わざわざ鞘で戦うんだ?」
レイはわけわからんといった表情で聞いた。
「・・人を殺すのは・・・好きじゃない・・。」
「・・・なるほど。訳ありね。」
レイは了解といって、くるりと向き歩き出した。
「腹減ったから食堂いってくるわ〜」
レイは手を振りながら、去って行った。
「・・教えてくれ。」
「・・へ??」
ホープはあっけにとられた顔をしていた。
「・・単刀直入に聞くが・・ものまねは何でもコピーできるのか?」
「・・いや。一応ここにいる人のものまねは全員できるんだけど・・」
ホープは頭をポリポリかきながら、うーんといった。
「・・だが?」
「うん。僕は相手の能力の50パーセントしかコピーできないんだよ。たとえばレイの射程距離はだいたい1000mなんだけど、僕が使える射程距離は500mってことだよ。」
ホープはわかりやすいように説明してくれた。
「・・なるほど。ちなみにあの風の能力は誰のだ?」
「ああ、あれね。あの技はもう一人の仲間の技だよ。」
「仲間?」
アキトは不思議に思った。
どうやらもう一人メンバーがいるらしい。
「うん。今は出かけてるんだ。また会えると思うからそのときにね。」
「・・了解した。」
二人に話を聞いた後、自分の部屋に戻っていた。
(・・これで今、謎に思ってたことはわかった。)
さて、寝ようかと思っていた時に・・
「おい!! アキト!!」
いきなりレイが部屋に入ってきた。
「・・どうしたんだ?」
「写真知らねえか? 俺の恋人が写った写真。」
レイは息を切らしながら、聞いてきた。
「・・知らない。すまない。」
「そっか・・。ちきしょ〜どこにいったんだ。」
「ここにあるよ。」
レイが振り返ると、部屋の外に写真をひらひらと揺らしたホープが。
「でかしたホープ!! そいつを返してくれ。」
「・・久しぶりにさ・・鬼ごっこしない?」
「・・はあ??」
レイは不思議そうに首をかしげた。
「捕まえた返してあげる。じゃあね!!」
するとホープは軽やかに走って去って行った。
「な・・ホープ!! とりあえず返せよこらー!!!」
レイは脱兎のごとく部屋から飛び出し、ホープを追いかけた。
・・・一気にアキトの部屋は静かになった。
(・・あの二人の関係は・・・・また聞いてみるか。)
アキトはそのまま寝転がって寝た。
この二人の関係が明かされるのは・・また別のお話で。
おまけ
次の日・・・
アキトは作戦室で一人欠けていることに気付いた。
「・・・レイはどうしたんだ?」
「・・昨日ホープと一日中追いかけっこして筋肉痛で動けないのよ。」
セリアは頭を抱え、ため息をつきながら言った。
「・・ホープは無事なのか?」
「僕慣れてるから。」
ホープは笑顔で言った。
「・・こんな調子で大丈夫なのか・・?」
アキトは冷静に突っ込んだ。
おまけ(完)