複雑・ファジー小説
- Re: スピリッツ 人気投票開催中です!! 第40話更新!! ( No.73 )
- 日時: 2011/09/12 19:58
- 名前: ベクトル (ID: j553wc0m)
第41話 「追跡」
カムイ率いる「サムライ隊」がゴスペルシティの反乱者を鎮圧した後・・・・
彼らは新たに反乱が起こった町を鎮圧するために急いでそこに向かっていた。
一方、アキトたちはいったん仲間みんなで合流し、エアロバードに戻った。
アキトはカムイとの戦闘により相当の深手を負っていた。
もちろん、誰もが心配した。
まずは傷の手当てを優先するように言った。
だが彼らの次の目的を知っているアキトは、戻ってから第一声にこう叫んだ。
『今町から飛び立った飛行船を・・・・追ってくれ!!!』と。
とりあえずアキトの応急処置を済ませ、いったん作戦会議室に集まる一向。
「・・・・で、アキト。さっき言ったことの真意を聞かせて。」
セリアは真剣な表情でアキトに問いかける。
「・・・奴らは次の町に行って、さらに被害を拡大させるつもりだ。」
アキトは落ち着いて答える。
しかし受けた傷はかなり深く、体調は良くなさそうだ。
応急処置と言っても包帯でぐるぐる巻きにしているだけなのだ。
「つまり、追っかけて止めないとさらに犠牲が出るってことだな?」
「・・・・ああ。」
レイの質問にアキトは首を縦に振って答える。
「でも相手は七星の一人よ? 現にアキトはやられてる。勝てる保証もないし、無謀よ。」
セリアは冷静に判断して言う。
「気持ちはわかるわ。でも今回は手を引きましょう?」
「・・・・駄目だ。」
セリアは手を引くように言うが、アキトはそれを受け入れない。
「どうして!? なぜそこまでして今にこだわるの? 一度待ってからでも・・・。」
「俺は・・・!!!」
セリアの言葉を遮るように、アキトは言う。
「今やらなきゃ・・・・俺は後悔する!!」
「・・!!!」
アキトのまっすぐな気持ちをきき、セリアは言葉を失う。
アキトがここまではっきり言うことは今までなかった。
「アイツは・・・・何か特別な感じがしたんだ。今までの奴らとは違って、何か大切なもののために戦っていた気がする。だけど、アイツは多分レジスタンスに利用されてるんだ・・・。」
「・・・・。」
アキトの言葉にその場にいる全員が黙って聞いた。
「人殺しも・・・本当はしたくないように見えた。だから俺にもトドメをささなかった。それがなんなのか・・・俺は知りたい。」
「・・・その予感が当たってる保証は?」
ホープは真剣な表情でアキトに聞く。
「ない。だが、俺は自分の直感を信じる。あいつの苦しみを・・・・俺が救ってみせる!!!」
アキトは強く言い放つ。
それを聞いてホープはクスッと笑う。
「・・・・乗ったよアキト。僕も行くよ。」
「ホープ・・・・すまないな。」
ホープはニコッと笑いかける。
「私も行く♪ アキトの傷が心配だからサポートする♪」
「・・・俺もだ。弟分の面倒は俺が見ないとな。」
「リフィル・・・・レイ。・・・すまない。」
リフィルもニコッと笑い、レイも親指を立てて笑う。
その光景を見て、セリアはため息をつく。
「・・・はあっ。なんとなく分かってたけど、みんな怖いもの知らずね。」
「セリアさん・・・。事前に飛行船を追跡してて・・・・よかったですね?」
「・・・・ええ。」
フェリスが聞くと、セリアはうっすらと笑顔を浮かべて答える。
そう、セリアはすでに飛行船の追跡をしていたのだ。
エアロバードは実は意外と小型の飛行船で、スピードはトップクラスなのだ。
カムイとサムライ隊の乗る飛行船、「キングジョージ」は大型の飛行船でスピードはエアロバードに比べると遅い。
セリアの計算通り、すぐに突入できるぐらいの距離には来ていたのだ。
「アキトが言っても聞かないと思って、すでに追跡しといたわ。すぐにでも突入可能よ!!」
セリアは大声で言い放つ。
「・・・すまないなセリア。」
「いいアキト? これはさっきも言ったけど無謀な作戦よ。最悪の場合は全滅もありうるわ。」
セリアはアキトに強く言う。
「仮にそいつを救えなかったら、あなたはそいつと戦わなきゃいけない。分かるわね?」
「ああ・・!!」
アキトは強く返事をする。
「いい? かならず生きて帰ってきなさい。あなたは確かに一回負けた。だけど、今度は一人じゃない。仲間がいる。」
「・・・!!」
そうだ。俺には仲間がいる。
もしも戦うことになったとしても・・・・
今度は・・・・俺一人じゃない!!!
「私があなたに渡すミッションは・・・・生きて帰ってくることよアキト!!!!」
「・・・了解!!!!!」
アキトは強く心に誓う。
俺は・・・・生きて帰ってみせる!!
そして、無駄な犠牲は出させない!!!
カムイ・・・・俺がお前を救う!!!!