複雑・ファジー小説
- Re: スピリッツ (戦争鎮圧編) ( No.8 )
- 日時: 2011/07/21 20:38
- 名前: ベクトル (ID: j553wc0m)
第6話 「初ミッション」
ピーー、ピーー、ピーー
警報が鳴り響いた。
これはミッションの始まりの合図らしい。
この音を聞き、作戦会議室に全員集まった。
「作戦内容を発表します。今回は・・レジスタンスの鎮圧です。」
セリアは真剣な表情で話を進めた。
「目標は・・レジスタンス。市民の安全の確保よ。」
「敵の数は?」
レイはこれから使うであろう武器の点検をしながら尋ねた。
「そこまで多くはないわ。ざっと・・三十人程度。」
「それで・・大体の作戦は決まってるの?」
軽くストレッチをしながら尋ねるホープ。
「もちろん。ホープは市民の安全の確保を優先に。今回、キーとなるのはアキトとレイ。市民を安全に確保しつつ、敵を殲滅。」
「・・・了解。」
「アキトは地上で戦い、レイは空中から狙撃。質問は?」
セリアの問いに対して、みんな首を横に振る。
「・・・では、作戦開始!!」
「了解!!」
ーー地上ーー
セリアたちが鎮圧しようとしている所は市民を奴隷の様に扱っていた。
レジスタンス自身は市民をゴミとしてしか見ていなかった。
だが、圧倒的武力によって支配をしているレジスタンスにたてつくものはいなかった。
・・彼らを除いては。
「・・空から何か来るぞ!?」
「あれは・・飛行船か??」
突然のことにレジスタンスの兵士は騒ぎ出した。
「誰か降りてくるぞ!?
レジスタンスは空から降りてくる二人の人を指さして言った。
飛行船から飛び降り、地上に降り立った二人の人影。
「行くよ。アキト。」
「・・・了解。 俺が先行する!!」
アキトは鞘を取り出し、構えた。
「スピリッツ・・解放!!」
「スピリッツ解放。」
アキトとホープから激しい風と、アキトは赤い、ホープは白いオーラが出てきた。
「ぐっ!! ・・何者だ!? 貴様ら・・ぐわ!!」
アキトは一人の兵士に一気に近づき、腹部を鞘で思いっきり突いた。
「まず・・・一人!!」
アキトはそのまま近くにいる兵士を素早く倒した。
「貴様ーー!!」
レジスタンスの一人が剣を取り出し、アキトに向けて斬りつけた。
しかしアキトはそれを危なげなくかわし、後ろに回り込む。
「く・・・はや・・。」
「遅い!!」
そのまま頭に強烈な一発を叩き込んだ。
「この餓鬼・・速いぞ!!」
「一人だけじゃないよ?」
ホープはそのままその兵士の顔面を殴った。
「アキト。あまり張り切りすぎないよう・・」
「でえぇぇぇいーーー!!!」
アキトはホープの忠告を全く無視で敵をなぎ倒していた。
「・・・聞いてない・・か。」
ホープはため息をつきながら言った。
「覚悟おぉぉーー!!」
後ろから剣を持った兵士がホープに斬りかかったが、さらりとかわし、蹴り飛ばした。
「さて・・救出作業だ。」
ホープは奴隷の人たちがいるほうに走って行った。
「くそ!! どこから撃っている!?」
レジスタンス兵は頭を抱えていた。
「ぐわ!!」
一人の兵士にレーザーが当たり、倒れた。
「くそ、まただ!! どこだ!?」
周りを見てもそれらしき人はいない。
だが次々と狙撃され、倒れていく。
「おのれーー!!」
兵士は何もできない自分たちに腹をたて、叫んだ。
ーー空中(エアロバード狙撃室)−−
レイは二丁の銃を合体させ、スナイパーライフルのようにさせて狙撃していた。
こうすることで一発の威力が上がり、射程距離も命中精度も上がる。
だが、連射ができないので、基本は合体せずにいる。
「ふうー。今日も当たる当たる〜。」
レイはご機嫌な調子で言った。
「距離はどう?」
セリアはレイに通信機ごしに話しかけた。
「ぴったりだ。いつも悪いな。」
「700mぐらいよ。余裕でしょ?」
「まあな。敵が回避しねえかぎりは外れる気がしねえわ。」
レイは自信満々に言った。
「頼りになるわ。」
「それはどうも。・・でも退屈だぁ〜・・。」
ーー地上ーー
地上ではほとんどのレジスタンス兵は鎮圧され、市民の安全は確保され、残る兵士はわずかだった。
「はあぁぁーーー!!!!」
アキトはすでに15人程度を倒していた。
「くそぉぉーー!!」
二・三人が同時に戦ってもとらえられないほど、アキトは素早い。
「おらああ!!」
兵士の一人がアキトに剣をふるうが、それを横にかわし、顔面に正確に叩きつけた。
アキトの後ろから兵士は攻撃をしかけたが、冷静にバックステップでかわして、横切りで顔面を殴り飛ばした。
「あと・・・一人!!」
「くっ・・この反逆者がーー!!」
兵士は剣を振り下ろすが、アキトはそれを受け止めた。
「反逆者と言われようと・・俺はお前たちレジスタンスをつぶす。」
「くうぅーー! 貴様ら・・!!」
「それが平和のための・・俺たちの・・戦いだぁぁぁーー!!!」
アキトは最後の一人の兵士の顔面にありったけの力でぶち込んだ。
「ぐあぁぁぁーーーー!!」
兵士は吹き飛ばされ、地面に叩きつけられた。
「・・レジスタンス・・鎮圧。初ミッション・・完了。」
ミッションは無事完了した。
市民はあらたな決意とともに新しい平和な国を作り始めた。
アキトは終わった後、血が付いた鞘の手入れをしていた。
(・・平和のため・・俺は戦う・・。最後まで。)
手入れを終えたあと、アキトは初ミッションの疲れからきた疲労のため、眠りについた。
(・・俺はつかんで見せる。平和を・・。)
アキトは強く願い、眠りについた。