複雑・ファジー小説
- Re: スピリッツ (VS七星!! 動き出す野望編) 第43話更新! ( No.80 )
- 日時: 2011/10/21 18:44
- 名前: ベクトル (ID: j553wc0m)
第44話 「覚醒の時。」
「オオオォォォォォーーーーーーーー!!!!!!!!!」」
レイの周りを取り巻く激しいスピリッツの量、激しく吹き荒れる風圧。
カムイはもちろん、アキトもただ呆然とするだけしかできなかった。
「な・・・・何が起きたというのだ!?」
圧倒的スピリッツを目の前にし、思わず出た言葉。
カムイは激しく首を横に振り、
「ばかなッ!? 奴のどこにこんな力が・・・?」
カムイはうろたえる。
先ほどの力とは桁違い。
味方であるアキトでさえも状況がつかめていない。
だがアキトは、
(ここは・・・・・まずいな。レイ・・・頼む。)
すぐにその場を離れ、気を失ったホープを抱え、二人と距離を置く。
「・・・・はぁぁぁッ・・・・。」
レイを取り巻く赤いオーラ、そしてそれと交わるように取り巻く白いオーラ。
今のレイに取り巻くオーラは二種類。
これを見たカムイは、
「二種類のオーラ!? まさか奴は・・・・・。」
「・・・・カムイッ!!!」
「!?」
目の前にいるのは、紛れもなく先ほどまでボロボロだったレイ。
だが、レイの力強く呼ぶ声に、一瞬背筋をヒヤッとするカムイ。
「これからだぜ・・・・勝負はよォ!!!!」
レイはダブルショットを取り出し、構える。
「・・・よかろう!! 何をしたのかは分からんが、お主はわが剣で葬ってくれるッ!!!!!」
カムイは二刀流の剣を構え、突進する。
そしてそれと同時に、カムイは2人の分身を作る。
「断罪ッ!!!!!!!」
カムイと分身二人はあらゆる方向に散らばりつつ、一斉に襲いかかる。
「行くぜッ・・。見せてやるッ!!!! 新しい力をなぁ!!!!!」
レイはそう言うと、空中に飛び上がる・・・。
「!?」
「行くぜ・・。」
レイはゆっくりとダブルショットを構える・・。
「乱れ撃つぜぇぇぇッッーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!」
そしてレイは高速で回転しながら、あらゆる方向に撃ちまくる。
左右上下とあらゆる方向に撃ちまくる。
だが、敵には一発も当たらず、むしろ当たる気配さえしない。
「!?」
カムイには意味が理解できなかった。
(やけくそになったと・・・そういうことか?)
カムイはそう考えていた。
だが、答えはすぐに分かった・・・。
「!!!!」
カムイは気付いた。
奴の撃ったレーザーは・・・・・壁に当たっていない。
「・・・ッ!!!!!!」
カムイは今の自分が置かれている状況を一瞬で理解した・・・。
カムイの全方位を包み込む数えきれない数のレーザーが・・・・・
全てカムイの方に向かってきていることを・・・!!!
「なッ・・・!!!!!!!」
「チェックメイト・・・・!!!!!」
レイの小さい呟きをかき消すように、爆発音が鳴り響く。
「ぬッ・・・・・・があァァァーーーーー!!!!!」
カムイは悲鳴に近い声をあげる。
レイはふうっ、と息を吐き、ゆっくりとダブルショットを下す・・・。
ーーエアロバード内ーー
「・・・これはッ!!!」
「!?」
セリアがいきなり大声を上げるので、驚くジークとフェリス。
「な・・・なんですかい!? いきなり大声で・・。」
「・・・・・・。」
大声を出したと思えば、いきなり黙り込むセリア。
そして・・・・
「レイが・・・・覚醒したわ。」
「覚醒・・・・?」
セリアはどうやら、自分の特殊体質でレイのスピリッツを感じ取ったようだ。
「覚醒とは、つまりスピリッツの進化。今まで解放してきたスピリッツをレベル1とするなら・・・・覚醒はレベル2。これを解放したとき、今まで解放していたレベル1の能力に、さらにもう1つ新しい能力が生まれるの。簡単に言うなら・・・能力が2つに増えるのよ。」
「じゃあ・・・・レイは強くなったんですか・・!?」
フェリスはセリアに尋ねる。
「・・・圧倒的にね。何かきっかけがあったようね。」
「まさか・・・勝てるかもしれないのか?」
「焦らないでジーク。まだわからないわ。」
ホッとするジークに、喝を入れるように言うセリア。
「レイ・・・勝負は早めに決めなさい。でないと・・・・あなたが持たないわ。」
ーーキングジョージ内ーー
爆発の煙が辺りを覆う・・・。
「・・・・・すごいな・・。」
レイの圧倒的力を見て、言葉を漏らす。
カムイの生死はまだ煙で分からない。
だがレイは、まるでまだ生きていることが分かっているように語りだす・・・。
「お前も俺らに教えてくれたからな。教えてやるよ。俺の新しい能力・・・・それは時空移動だ。俺が意識した対象物を、どこでも意識した場所に飛ばせる能力だ。」
レイはその場に座り込み、また口を開く。
「さっきの全方位攻撃・・・・あれは俺が撃った弾を全部お前の周りを囲むように意識して瞬間移動させたんだ。しんどかったけどな。」
「・・・・なるほど。」
「・・!!!」
煙の中から聞こえてくる声・・・。
やはり、カムイは生きていた・・・・!!!!
「よお。まだやるのかカムイ?」
挑発するように言うレイ。
煙は晴れ、姿を徐々に現すカムイ。
その姿に・・・・一切鎧は着けていなかった。
さっきの攻撃ですべて剥がれてしまったようだ。
「・・・なんだ。顔はなかなか渋くてイケメンじゃねえか。」
鎧をとったカムイは、見た目の年は30代で、髪は黒。身長は190センチぐらいだ。
「・・お主が初めてだ。私の鎧を外したのは。」
「・・・そりゃ嬉しいこった。だがまあ・・・そろそろ決着つけようぜ?」
カムイはふっ、と少し笑みをこぼす。
レイも同じく笑みをこぼす。
「主と戦えたこと・・・感謝しておる!!!」
「いくぜぇッカムイ!!!!」
そして戦いは・・・・決着へ。